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デルタ、アジア戦略変更も「日本の価値変わらず」-森本社長インタビュー

羽田昼間枠獲得で「ステップアップ」へ
関空/シアトル線再開にも期待

-来年の春には全日空(NH)がA380型機をホノルル線に就航させます。日本/ハワイ路線については供給過多の心配もありますが、どう受け止めていますか

森本 全体的な需給バランスは一旦崩れるかもしれないが、リゾート路線の場合は供給が需要を生むということもある。その後は、どこまで値段が下がるかがポイントになるだろう。ハワイにはかなりのポテンシャルがあると思うし、DLは長い間、成田、中部、関空、福岡からホノルルに運航しているので、コアの旅客は掴んでいる。さらにサービスの質を高めていく必要はあるが、今後も十分に戦えると思っている。

 ミクロネシアとは異なり、ハワイはLCCではなくFSCのマーケットで、お客様の求めるニーズが違う。米国でもメキシコなどに多くのLCCが飛んでいるが、DLのカンクン線は絶好調だ。


-旅行会社とのこれからの関係についてもお聞かせください

森本 今後も旅行会社との関係は重要だと考えている。日本では、ユナイテッド航空(UA)にはNH、AAにはJLというパートナーがあり、それぞれ旅行会社を持っているので、DLも日本でパートナーとなる旅行会社が必要だ。従来型の大手旅行会社は、レジャー、グループ、コーポレートとそれぞれの市場でまたまだ力を持っている。日本での流通については、引き続き広く深い関係を築いていきたい。


-国際航空運送協会(IATA)が推し進めるNDCについては

森本 どのような業界であっても新しいテクノロジーがどんどん出てくるので、追いついていかなくては、と思う。NDCについては、DLはリードする側ではないが、準備はしているといった状況だ。現在のところは自社の予約システム「デルタマティック」など、さまざまな流通形態がうまく回っていると思う。


-日本支社長に就任されて6年ほど経ちますが、これまでを振り返っての所感と、今後の目標は

森本 「あっという間」という感じで、次から次へと色々な課題が現れる。航空業界は複合的なビジネスで規制も多く、それぞれの課題が複雑なので、じっくりと考える必要がある。その分、やりがいのある仕事をさせていただいているので、一言で言うと「楽しい」。

 ノースウエスト航空との合併後は、サービスも、プロダクトも、定時運航率も改善してきた。プロダクト刷新のサイクルも他社より速く、総合的な航空会社としてのサービスレベルの高さは以前とは比べものにならない。米国国内での乗り継ぎも自社ですべてカバーできるので、お客様の満足度も大きく上がったと思っている。

 今後については、羽田昼間枠の獲得が大きなチャンスになるだろう。そこでステップアップし、「グローバルエアライン」の良さを日本市場で発揮していきたい。所属しているスカイチームは、アライアンスの総合力においては最も高いのではないか。

 また、日本の国内線ネットワークとの接続の観点から、インターラインも含めて、国内の航空会社との提携を模索していきたいと考えている。


-ありがとうございました