大阪北部で地震、伊丹発着便に影響、関空・神戸は軽微

  • 2018年6月18日

 大阪府北部で6月18午前7時58分、マグニチュード6.1の強い地震が発生した。気象庁によると最大震度は6弱で、大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市の5市区で震度6弱、京都府の京都市、亀岡市など18市区町村で震度5強を観測した。津波の心配はないとしている。

 関西エアポートによると午後3時の時点で、関空・伊丹・神戸の3空港の発着便は、一部の便に欠航・遅延などの影響が発生。関空と神戸は滑走路と館内施設ともに異常はなかったが、滑走路点検の影響により関空は国際線出発便13便が最大約3時間の遅延。そのほか国内線出発便1便が約1時間、到着便1便が13分遅延した。神戸は出発便4便が最大26分遅れた。

 比較的被害が大きかったのは伊丹で、滑走路は無事だったものの館内施設の一部でひび割れや水漏れなどが発生。出発便41便・到着便41便の計82便が欠航し、遅延便も多数に上るという。なお、3空港ともに負傷者はおらず、従業員が通勤できない一部の店舗を除いて営業していることから、同社は「3空港ともに空港機能としては問題なく運用している」と強調している。

 本誌の取材に応じたJTBによれば、16時の時点で同社の取り扱う旅行者にけが人などはいないとのこと。エイチ・アイ・エス(HIS)と阪急交通社は、訪日外国人旅行者を含むすべてのパッケージツアー参加者の安全を確認した。地震に起因する旅行のキャンセルについては、阪急交通社は18日出発分は無料でキャンセルを受け付けている旨を説明。今後の対応は順次検討する。

 JTBとHISは「問い合わせに応じて個別に対応している」と回答し、取消料については明言しなかった。他社便への振替や出発日の変更などについては、3社とも旅行者の希望に可能な限り応えているという。

 そのほか、JTBとHISは大阪府のショッピングセンターなどの一部店舗において、休業や営業時間の短縮を実施。HISによれば、公共交通機関の運休により出社できない社員もいるため、周辺の店舗などがサポートしているという。また、店舗が入居するビルの判断により休業した場合でも、電話対応のみ継続しているケースもあるとのこと。

 航空各社については、全日空(NH)は午後1時半の時点で、伊丹発着便を中心に機材繰りによる運休便も合わせて国内線14便が欠航。約1100名に影響が出たという。18日から21日までの間に3空港に発着する便の航空券と関連する旅程の航空券の変更・払戻については、実際の運航状況にかかわらず手数料なしで実施する。国内線60便・約6300名に影響が出た日本航空(JL)も、18日と19日の関空・伊丹発着便について同様の対応を実施。ともに地震に起因するキャンセルの発生数などについては発表していない。

 そのほか、関空を拠点とするピーチ・アビエーション(MM)は18日に同空港に発着する国際線・国内線の全便について、実際の運航状況にかかわらず航空券の変更・払戻を実施するとしている。神戸から7路線を展開するスカイマーク(BC)も、18日の神戸発着便について同様の対応を実施する。

 大阪観光局は今回の地震に関する情報を収集し、運営するウェブサイト「OSAKA-INFO」で発信。ウェブサイトで運営する24時間対応の多言語コールセンター「大阪コールセンター」の活用も呼びかけている。また、同局が提供する「Osaka Free Wi-Fi」では緊急時対応として認証なし・時間制限なしでWiFiサービスを無料提供する。

▽大阪観光局、「OSAKA-INFO」の地震情報ページと「大阪コールセンター」
OSAKA-INFO:https://osaka-info.jp/page/news-earthquake-osaka
大阪コールセンター:http://ofw-oer.com/call/