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トップインタビュー:ベストワンドットコム代表取締役社長の澤田秀太氏

マザーズに船出、クルーズ市場拡大の波に乗り
「独自のビジョンで新たなビジネス」

-海外展開についても視野に入れていると思いますが、展望をお聞かせください

澤田 上場により資金も調達できたので、早いうちに海外展開を進めたいと考えている。すでにウェブサイトの多言語化に向けた開発を進めており、海外事業も現在の成長率と同じくらいのスピードで拡大させていきたい。日本市場では他社と競合するよりも、協力することで市場を拡大していきたいと思っているが、やはり将来的には海外のOTAと競合することになると思う。

 また、現在はクルーズ旅行の販売を中心に展開しているが、我々はインターネットのノウハウを持っているので、その他の分野のビジネスへの横展開も可能だと考えている。例えばAIを活用した旅行など、独自のアイデアで時代の一歩先を行きたい。


-現在の売れ筋のクルーズを教えてください

澤田 5泊または6泊の横浜や神戸発着のクルーズで、現役世代も参加できる短期間の安価なクルーズが売れている。我々としても現役世代などの若い方々にもっとクルーズを楽しんでもらいたいので、そのような商品の販売には注力しているところだ。利益が出にくいものもあるが、まずはクルーズ旅行の認知度を高める部分に投資をしていきたい。

 船会社別で言えばコスタクルーズやMSCクルーズ、ロイヤル・カリビアン・インターナショナルなどのカジュアルクルーズが売れ筋だ。ラクジュアリークルーズに関しては、優先して販売するよりも、まずは商品を揃えて体制を整えることが重要と考えている。


-現在の主な客層は

澤田 ボリュームゾーンは50代から60代前半で、他社と比べると平均年齢は若いと思う。今の50代や60代の方々は若いので、一度クルーズを体験していただければ、70代や80代になってもリピートしてもらえるのではないかと期待している。


-第1種旅行業を取得していますが、自社企画の商品については

澤田 現在は航空券付きのパッケージツアーを40コースから50コースほど販売しているが、まだまだ主要な事業にまでは育っていない。しかし今後は人気のあるコースに絞って、徐々に数を増やしていきたいと考えている。現在の売上構成においては、FIT向けの販売が8割を占め、その他は自社ツアーと、他社ツアーの代売がそれぞれ1割程度を占めている。