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「共感」で若者の海外旅行離れに歯止めを-JATA経営フォーラム

  • 2018年3月7日

旅行会社はビジネスモデルの転換を
店舗など活用しコミュニケーション強化

若者に楽しさ伝える余裕を

 堀氏は、旅行の楽しさを伝えるためには、旅行会社のスタッフが消費者に「共感」し、消費者にもスタッフに「共感」してもらうことが重要になると説明。旅行会社に対しては、「若者とコミュニケーションを取る際、『売りたい』という上から目線ではなく、まずはお客様の声に耳を傾けてみるべき」と訴えるとともに、「『ハワイに行けば間違いない』と最初に場所から提案するのではなく、まずはお客様に何をしたいかを聞いてから、適したデスティネーションを紹介してみては」と提案した。

縄手氏  縄手氏も「『共感』は若者に限らず、すべてのお客様に対して重要。特に店舗に相談に来るお客様は何らかの共感を求めている」と「共感」の重要性に賛同。「旅行会社の店舗は、最もお客様とのコミュケーションが取れる場所」との考えのもと、スタッフの教育を重視していることを説明した。また「売上目標の達成を重視し、回転率を良くしようという気持ちが前に出すぎているのでは」と振り返り、「店舗での売り方を変えていかないといけない」との考えを示した。

 森下氏は、自身が旅行会社で勤務した経験があることについて述べた上で、「旅行会社のスタッフに余裕がない。旅行の経験も少なく、人に共感を与えるだけの情報発信ができてないのでは」と指摘。縄手氏も「スタッフがビジネスに染まりすぎて、旅の面白さを体現できていないのでは。自然体で旅の楽しさを発信していけば、若者に共感してもらえるのでは」と話した。

 堀氏は「旅行会社が意識を変え、若者が旅行商品を買わなくても気軽に遊びに行けるような店舗にしては」と提案。店舗でのイベントなどを実施し、コミュニケーションの場として積極的に活用することを呼びかけた。また、国内外のオプショナルツアーの予約サイト「ベルトラ」を利用する若者が多いことについて言及した上で、「『ベルトラ』には事業者も利用者も多くの口コミを書き込んでいる。そのようなコミュニケーションで楽しい雰囲気を作ることも大切」と話した。