一律1000円の「国際観光旅客税」、19年1月創設へ-税制改正大綱

  • 2017年12月14日

 自民党と公明党は12月14日、2018年度の税制改正大綱を取りまとめた。旅行業界の注目を集めていた「出国税」は、「国際観光旅客税(仮称)」として創設し、2019年1月7日以降の出国旅客に「定額および一律1000円」の負担を求める。政府は「今後さらに増加する観光需要に対して、高次元で施策を実行するために必要となる財源を確保する」と説明している。関連法は次期通常国会に提出される見通し。同税については、観光庁の有識者検討会が今年の9月から11月にかけて、2ヶ月弱で提言を取りまとめた。

 説明のための資料では、使途について「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、地域固有の文化・自然などを活用した観光資源の整備などよる地域での体験・滞在の満足度の向上に資する施策」に財源を充当すると説明。一例として「チェックインなどの簡略化・自動化」「スマートセキュリティ保安検査の円滑化」「CIQの革新」など、出国手続きや導線の効率化に資する施策を挙げ、具体例として今年10月から羽田で運用を開始した顔認証ゲートの導入を示している。

 納税義務を追うのは航空機または船舶により出国する旅客で、乗継旅客や天候などの理由により日本に帰着または緊急着陸した旅客、2歳未満の旅客、航空機や船舶の乗員などは対象外。徴収は航空会社や船舶会社が旅客から実施し、翌々月末までに国に納付する。プライベートジェットなどによる出国の場合は、旅客自身が搭乗する時までに国に納付する。

 そのほか、訪日外国人旅行者を対象とする免税販売の要件として、現行制度では「一般物品」と「消耗品」のそれぞれにおいて下限額を5000円以上としているところを、一般物品についても特殊包装を行うなどを条件として、18年7月から「一般物品と消耗品の合算で5000円以上」に変更する。

 あわせて、免税販売手続きの効率化などに向け、購入記録票の提出などの電子化を推進する。16年度税制改正で要望した際に継続審議とされたもので、現在、訪日外国人旅行者は旅券に貼付けて割印を押した購入記録票を税関に提示する必要があるが、20年4月以降は店舗が販売情報データを税関に提出し、旅行者は旅券を提示するだけで手続きを済ませることを可能にする。データの提出方法は、インターネットなどを活用した簡便なものとする方針で、21年10月には完全電子化をめざす。