11月の旅行業倒産は3件減の1件、負債総額は約5億円

  • 2017年12月10日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2017年11月の旅行業の倒産件数は前年から3件減の1件のみとなり、2ヶ月ぶりに前年を下回った。負債総額は14.3%減の4億9700万円で、3ヶ月連続の減少。

 倒産したのは、東京都新宿区に本社を置き、「ARCツアー」のブランド名でツアー商品などを販売していた第1種旅行業者のアバンティリゾートクラブ。仙台に営業所を設け、国内外のパッケージツアーや団体旅行を販売し、約18億円の年間売上高を計上したこともあったが、旅行者のFIT化やニーズの多様化などで経営環境が悪化。近年は韓国や国内旅行を中心に販売していたが、業績の低迷に歯止めがかからず、資金繰りが悪化し、10月11日に事業を停止した。11月20日に東京都地方裁判所から破産開始決定を受けた。

 なお、10月12日には日本旅行業協会(JATA)が、債権者向けに弁済業務保証金制度の案内を開始。限度額は7000万円となっている。TSRによれば、旅行者に対する負債金額は約6500万円となる見込みだが、今後の調査により変動する可能性があるという。

 1月から11月までの累計は1件増の27件で、負債総額はてるみくらぶと関連会社の自由自在の倒産などが響き、468.9%増の215億4300万円と大幅に前年を上回っている。

 なお、11月の宿泊の倒産件数は3件減の2件で、負債総額は81.5%減の4億2900万円。詳細は別途記載(下記関連記事)。