ハウステンボス、17年9月期は増収増益-18年は取扱高302億円へ

  • 2017年12月4日

決算会見はハウステンボスと東京のHIS本社で開催。澤田氏はハウステンボス会場に出席  ハウステンボス(HTB)グループの2017年9月期(16年10月1日~17年9月30日)の連結業績で、取扱高は前年比14.8%増の388億5700万円、営業利益は3.1%増の77億3900万円、経常利益は60.2%増の99億700万円、当期純利益は162.5%増の71億7500万円だった。HTBによれば、九州地震の影響で上期は苦戦したが、夏のイベントが好調だったことなどが奏功し、増収増益となった。経常利益は為替差益の増加で、純利益は昨年度に所有船舶の減損処理をした反動で大幅に増加した。売上総利益は3.6%増の263億6800万円。グループの決算にはHTBに加え、ラグーナテンボスやHTBクルーズ、電力販売事業のHTBエナジーなどを含む。

 HTB単体の取扱高は1.9%増の291億5000万円、営業利益は0.1%増の75億8700万円、経常利益は41.6%増の92億7700万円、当期純利益は218.7%増の66億1800万円だった。売上総利益は2.3%増の227億3700万円。来場者数は0.5%減の288万1000人となったが、宿泊者数は「変なホテル」が好調だったことなどから1.5%増の31万2000人と前年を上回った。

「光るナイトプール」  12月4日に開催した決算会見で、HTB代表取締役社長の澤田秀雄氏は「九州地震の影響が大きく、後半になんとか盛り上げたことで昨年よりは良い数字となったが、大変だった」とコメント。好調だったという夏については、「ウォーターパーク」をこれまでのハウステンボス、大阪城に加えて今年はお台場でも開催したこと、夜の「光るナイトプール」が好評だったことを理由として挙げ、「今夏は過去最高の集客だった。来年はタヒチやハワイのような雰囲気のプールを作りたい」とした。

▽18年はイベント強化、GWに無人島アトラクションを開始

 18年9月期については、HTB単体の取扱高として3.5%増の301億6300万円、営業利益は5.0%増の79億6600万円、入場者数は5.0%増の302万人をめざす。経常利益や純利益などの目標は公開していない。澤田氏は「予約状況を見ると、良い状況。目標よりはいい成績を残せると思う」と期待を示した。連結業績の見通しについても非公開だが、HTBエナジーの電力販売などで売上が大幅に増加する見通し。同社代表取締役兼CTOの早坂昌彦氏は、17年9月期の売上高が740%増の48億円であることを説明し、「来年は100億円にどこまで近づけるかをめざす。貢献率はさらに高まるだろう」と自信を示した。

 澤田氏は18年9月期について、「再び2桁の成長に戻すため、新しく、オンリーワンでナンバーワンのイベントを仕掛けていきたい」と語り、「(魅力的な)イベント、イベントの宣伝、旅行会社に企画してもらうための営業がしっかりできれば、目標以上の数値になるはず」と期待を示した。来年3月以降に入場料を100円引き上げることについては、「園内の内容も数年前に比べると随分良くなってており、新しいイベントも続々増えている」ことを理由として挙げた。

無人島まではハウステンボスから船で40分程度  このほか、会見では、澤田氏が早ければ18年末に園内の「変なホテル」の宿泊棟を増やす計画を説明。詳細は後日発表する。加えて、ハウステンボスから南西に約6キロメートルに位置する無人島で、恐竜ロボットやAR技術など活用した、「探検」をテーマにした新アトラクションも開始する。ゴールデンウィークにソフトオープンし、夏には正式にオープンする予定。島までは遊覧船で移動するほか、開発中の円形の水上ホテルでの移動も検討する。水上ホテルは来年の1月から実証実験を開始するという。