KNT-CT丸山社長、分社化で「地域に密着」-国内旅行商談会

  • 2017年7月13日

丸山氏  KNT-CTホールディングス(KNT-CT)は7月13日、第6回目となるKNT-CTグループと全国の宿泊施設、地方自治体などによる商談会「国内大交流コンベンション」を開催した。終了後の懇親会では、6月にKNT-CTホールディングスの代表取締役社長に就任した丸山隆司氏が挨拶し、4月に発表したグループの組織改編について改めて説明。近畿日本ツーリストや近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)を分割し、地域会社や専門会社などを増やす計画について述べた上で「地域により密着し、意思決定を迅速化し、(各社の)能力を発揮させることが重要。営業体制と競争力の強化をはかりたい」と抱負を述べた。

 その一方では「分社化を進め過ぎてバラバラになることも恐れている」とも語り、グループが一丸となって事業を進める考えも強調。出席者に対しては「我々は同じ船に乗っている。一緒に観光素材やイベントの開発を進め、お客様に喜んでいただき、リピーターを作っていきたい」と協力を呼びかけた。

岡本氏  続いて、KNT個人旅行代表取締役社長の岡本邦夫氏も挨拶。「旅行業が厳しい時代に事業改革を実施することになった。従来の方法から頭を切り替えて、1から新しいビジネスを作らなくてはいけない」と述べた上で「地域交流事業などを主力として構造改革に邁進する」と宣言し、出席者に支援を呼びかけた。

斉藤氏  そのほか、商談会に先立って挨拶をしたKNT-CT取締役で国内旅行部長の斉藤篤史氏も、地域会社や専門会社への分社化について説明した上で、「より一層、地域の方々との関係を強化し、観光商品の拡充や地域への誘客に取り組みたい」と強調。参加者には充実した商談を呼びかけた。

 斉藤氏は、業界誌の取材に対しては「リアル店舗を持つ我々の強みは、フェイス・トゥ・フェイスで相手の要望にあったものを提案できること」と主張。伸長するOTAに対抗するために「宿泊単品ではなく、総合的で独自性のある商品展開に注力する」と語った。

商談会の様子  今年の「国内大交流コンベンション」は、開催時期を例年よりも1ヶ月以上早めることで、秋以降の商品造成に間に合うようにしたという。参加者数はKNT-CTグループが社員約280名、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)や近畿日本ツーリスト全国ひまわり会の会員、地方自治体などが約360名で、計640名の過去最大規模となった。