JATA、東北復興で3回目の「JATAの道」、岩手県で

  • 2016年11月15日

ガイドとともに大船渡のトレイルを散策  日本旅行業協会(JATA)は10月28日と29日に、岩手県の大船渡市と釜石市で東北復興支援プロジェクト「JATAの道」の3回目の活動を実施した。同プロジェクトは環境庁が設定する東北地方太平洋沿岸地域のトレイルコース「みちのく潮風トレイル」の整備に参加するもので、東北復興の支援と「新しい東北観光」の実現が目的。期間は2014年4月から21年3月までの7年間としている。

 今回は、トレイルの大船渡市中南部ルートと釜石ルートの一部を散策。トレイル周辺の観光素材の視察なども実施した。団長はJATA副会長で国内旅行推進委員長の戸川和良氏で、首都圏と東北地区のJATA会員会社26社、JATA事務局、メディア、環境省関係者、大船渡市と釜石市の地元観光関係者などが参加。参加者数は過去最高の110名となった。

 1日目はトレイルのうち、大船渡市中南部ルートの一部である碁石海岸をボランティアガイドとともに歩いたほか、りんご園と水産加工会社を視察。大船渡駅周辺地区の振興に取り組む地元企業のキャッセン大船渡を招いての講演会や、地元の観光関係者との交流会もおこなった。

JATAでは両市にトレイルの案内板を寄贈。写真は釜石市で開催した除幕式  2日目は三陸鉄道が12年6月から運行している貸切列車「震災学習列車」に、南リアス線盛駅から唐丹駅まで乗車。車内ではガイドが震災の被害や復興などの状況を説明した。JATAによれば、参加した旅行会社からは修学旅行や一般団体向けのツアーで利用したいとの声が挙がったという。このほか、トレイルの釜石ルートの一部の散策、19年のラグビーワールドカップの会場予定地の視察なども実施した。

 11月10日の記者会見でJATA理事長の志村格氏は、今回のプロジェクトの終了後に旅行会社から「旅行商品化のために大船渡市や釜石市とコンタクトを取りたい」との声が挙がったことを紹介。第2回の「JATAの道」で訪問した福島県の相馬市についてはすでに商品化が実現している旨を説明し、「活動の実績が積み重なってきた。観光による復興支援を今後も継続していきたい」と語った。