ヒースローに3本目の滑走路、25年に供用-アジアなど強化

  • 2016年10月26日

ヒースロー空港(イメージ)  英国政府は10月25日、ロンドン・ヒースロー空港に3本目の滑走路を建設する計画を承認した。2025年の供用開始を予定する。混雑の緩和や国際競争力の強化、アジアなどの成長市場への路線拡充が目的で、2本の平行する滑走路の北西に約3500メートルの滑走路を設ける。ヒースロー空港はプレスリリースで「長距離路線を最大40路線増やせる」と述べるとともに、就航候補地として関空や武漢、エクアドルのキトなどを挙げている。

 英国政府は40年までに長距離路線の座席数が最大で1600万席増えると予想。国内線については運航中の8路線に加えてベルファストやリヴァプールなどへ6路線が新設されると見込んでいる。そのほか、今後60年間で610億ポンドの経済効果が生まれ、30年までに最大で7万7000人の雇用が創出されるとの試算を示している。

 ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の持株会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)や、ヴァージン・アトランティック航空(VS)、イージージェット(U2)、スターアライアンスは滑走路の増設に対して歓迎の意を表明。一方でIAGやVAは、空港使用料などの増額につながる恐れがあることを指摘し、航空会社や旅行者の負担が増えないように議論の場を設けることを提案している。