カナダ各州、相互の協力体制を強化-RVC2016(2)

  • 2016年5月19日

州や準州が強みを生かして新ルート開発
冬の需要喚起も

会場のモントリオール・コンベンションセンター  カナダの各州や準州は、カナダ建国150周年に向けて日本市場での取り組みを強化している。カナダ観光局と在日州政府観光局による「チーム・カナダ」では、観光ルートの開発や他州とのコラボレーションによるプロモーションが進行中。今後は各州の強みを組み合わせることで、これまで以上に魅力的なカナダ旅行を日本市場でアピールしていくとともに、引き続き冬期の需要喚起に努めていく方針だ。4月下旬にケベック州のモントリオールで開催された同国最大の旅行商談会「ランデブーカナダ2016(RVC2016)」で、各州や準州の取り組みを聞いた。


アルバータ州
カルガリーとイエローナイフの組み合わせを提案

アルバータ州観光公社市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏  アルバータ州観光公社では、冬期の需要喚起策として、カルガリーでの前泊とノースウエスト準州のイエローナイフでのオーロラ鑑賞を組み合わせた旅程を提案する。同公社市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏によれば、「カナディアン・ロッキーを中心に、夏はホテルやバスが確保しにくい状況」にあるためで、今後も冬の商品開発で他州や米国とのコンビネーションを模索していく。

 また、アルバータ州は畜産業や農業が盛んなことから、カルガリーやエドモントンへの食をテーマにしたツアーなどを訴求していきたい考え。夏期については、ロッキー以外での宿泊を提案していくほか、アルバータならではの気軽にできるキャンプ体験などを紹介し、FIT誘客を強化する。

 このほか、教育旅行も重視。カウボーイ文化が体験できるフェスティバル「カルガリースタンピード」や、カナダの国技であるアイスホッケーを体験するプログラムなどを提案していきたい考えだ。


ブリティッシュ・コロンビア(BC)州
バンクーバーとホワイトホースのコンビネーションを訴求

BC州観光局日本担当マネージャーのモラス奈津子氏  BC州でも、冬期とショルダーシーズンの秋の需要喚起は大きなテーマ。新たな取り組みとして、11月末から4月中旬までの期間で、バンクーバーとユーコン準州のホワイトホースのオーロラを組み合わせたアイテナリーを提案している。BC州観光局日本担当マネージャーのモラス奈津子氏は「ホワイトホースでのオーロラ鑑賞は、フライト時間の関係からバンクーバーで前泊する方が楽。クリスマスシーズンのバンクーバーと組み合わせれば差別化もはかることができる」とアピールする。このほか、秋についてはウィスラーなどの紅葉ルートの開拓にも力を入れていく考え。

 教育旅行向けには「安心・安全のデスティネーション」であることを強調。BC州当局やバンクーバーの日本領事館、現地の学校などを交えてミーティングをおこない、新しい商品を開発していく。モラス氏は「チーム・カナダがうまく機能している」と評価。今後も商品開発やプロモーションで、他州とのコラボレーションを積極的に進めていく方針だ。