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トップインタビュー:トルコ大使館文化広報参事官室のカラクシュ氏

トルコは「平和を求める観光立国」
日本市場にさらなる魅力を紹介

15年1月から11月までの、全世界からの旅行者数は1%程度しか落ちていませんが、その理由は

カラクシュ 世界的なテロの脅威により、一部の人々は海外への旅行を控えている。しかしそのような状況にあっても、トルコは旅行者数を維持している。世界レベルで見ても、優良な観光立国と言えると思う。

 現時点でトルコには、日本の外務省による注意喚起が発出されている都市もある。しかし注意喚起の発出されていない西側ヨーロッパの大都市と比べて、とりわけ治安が悪いかの否かについては、よく見極める必要があると思う。シリアやイラクとの国境地帯を除けば、都市の観光に問題はない。


16年のプロモーション方針は。これまでとは違う施策が必要になるのでは

カラクシュ 16年はテーマ性の高い旅行のプロモーションに傾注したい。イスタンブールやカッパドキアのようなクラシックなデスティネーションだけでなく、重点地域の西地中海地方と南エーゲ海地方に加えて、トルコの「ヨーロッパ側」の地域であるトラキア地方なども紹介したい。そのほかにはブルサや黒海地方などについてもプロモーションをおこなう。

 また、デスティネーションだけでなく、「アンタルヤ国際園芸博覧会」などの国際的なフェスティバルやマラソン大会、トルコの伝統的な格闘技であるオイルレスリングなど、ユニークなイベントを訴求していく。日本人旅行者にはニュースでの見聞だけではなく、実際に訪問してみて、本当のトルコを知っていただきたい。16年の旅行者数は、約20万3000人を記録した12年の水準に戻したいと考えている。


旅行会社との協働に対する考え方は

カラクシュ パートナーである日本の旅行会社に対しては、まだまだ伝えてきれていないトルコの魅力を紹介していく。日本においてトルコは、優良なデスティネーションとして認識されていると思うが、本来のトルコ観光の豊かさは、まだまだ理解されていない。トルコを訪れてイスタンブールとカッパドキアしか見ないことは、日本を訪れて京都と富士山しか見ないことに等しい。

 旅行会社の方々は、一般旅行者への影響が非常に大きい。だからこそ我々も、優良な情報の提供に努めたいと思う。従来のファムツアーやセミナーに加えて、今後はトルコを扱っていない旅行会社やランドオペレーターに対しても情報を提供するなど、新たな機会を作りたい。より多くの旅行者の満足度を高めていくことが、我々と旅行会社の共通の責任だと考えている。


-ありがとうございました