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現地レポート:モルディブ、高級リゾートならではの魅力

  • 2015年12月10日

スパやダイビングなど訴求
16年に観光省の通年キャンペーンも

日本人訪問者数5万人へ
ゲストハウスで若者の取り込みも

空港から各リゾートへのスピードボートの停船所の様子 モルディブでは今年11月、国内情勢の不安定化などにより非常事態宣言が発令された。しかし、同国大使館によると現地では外出禁止令は発出されず、空港の閉鎖や運航便の制限などもなかったという。宣言の有効期間も当初は最大30日間とされていたが、発令してから1週間後には解除された。

 カリール氏は「観光収入はモルディブが獲得する外貨の7割を占める。モルディブは観光産業に支えられている」と強調。非常事態宣言の発令につながった事件は首都のマーレでのみ発生したが、そもそも旅行者はマーレを経由せずにリゾートのある島まで移動するため、「問題が発生していると感じる機会さえなかったと思う」と観光への影響が皆無だったことをアピールした。

モルディブ大使のアハメド・カリール氏 観光が外貨獲得のための重要な産業となっているモルディブでは、さらなる訪問者数の増加に向け、来年にはモルディブ観光省の主催で全世界向けの観光キャンペーン「Visit Maldives 2016」を実施する。日本市場における具体的なプロモーション内容などは決まっていないが、プレスツアーの実施や旅行会社との関係強化をはかることで、「年間日本人訪問者数を5万人に増やしたい」考えだ。

リゾートのスピードボートには、早くも「Visit Maldives2016」のロゴが掲出されていた モルディブはハネムーンの旅行先としては人気が高いものの、高級リゾート地であるため頻繁に訪れる旅行先の候補にはなかなか挙がりづらいだろう。しかし3年程前からは、マーレを中心に通常のリゾートに比べて安価に宿泊できるゲストハウスもオープンし、ダイビングを目的とした若者の需要も増えてきているという。

 カリール氏によると、ゲストハウスではアルコールの提供などをおこなっていないが「リゾートでの滞在と大きくは変わらない」サービスを提供。今後はこのような新たな選択肢もあることをアピールし、若者やファミリー層の取り込みもはかる考えだ。


スリランカ航空、14年には新機材導入、「日本は重要なマーケット」

ULジェネラル・マネージャー・コーポレート・コミュニケーションズのスミンダ・パレーラ氏。ツーリズムEXPOジャパン2015のワンワールドブースにて 今回利用したスリランカ航空(UL)は、成田/コロンボ線とコロンボ/マーレ線を接続して日本人を送客。成田/コロンボ線は週4便、コロンボ/マーレ線は1日4便または5便で運航している。「日本は重要なマーケット」と語る、ULジェネラル・マネージャー・コーポレート・コミュニケーションズのスミンダ・パレーラ氏によると、成田/コロンボ線の利用者の約85%は日本人で、ロードファクターは通常で60%から75%程度、ピーク時には90%に達するという。

エコノミークラスのモニター  ULでは14年11月、成田/コロンボ線に新機材のエアバスA330型機を導入。座席数はビジネスクラスが28席、エコノミークラスが269席の計297席で、ビジネスクラスには15インチ、エコノミークラスには11インチのモニターを設けた。機内エンターテイメントでは300種類以上の映画を提供し、各席にはUSBコンセントも完備している。


取材協力:モルディブ大使館、Maldives Marketing&Public Relations Corporation、スリランカ航空
取材:本誌 人長紘子