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インタビュー:ジャパングレイス取締役の山本隆氏

ピースボートの世界一周クルーズで多様な需要に対応
短期間クルーズで需要創出、他社への卸売検討も

ショートクルーズも実施されていますね

山本 韓国のNPO「観光財団」と共同で「PEACE&GREEN BOAT」を実施している。夏に10日間くらいの日程で、日本と韓国から半分ずつお客様が乗って、アジアを周るもので、05年から開始しており、15年で8回目だ。

 また、今年は春に初めてショートクルーズをおこなった。日本発で5日間から9日間の4コースを設定。来年は「佐世保・済州島・広島めぐり9日間」として、横浜発着で実施する。ショートクルーズをおこなう理由として最も大きいのは、世界一周クルーズにいきなり参加するのは、ハードルが高いと感じる方が多いため。ショートクルーズでピースボートのクルーズを経験し、ある程度安心していただいてから世界一周に参加して欲しい。そのための「お試し」クルーズとしての位置づけがある。

 もう1つの理由としては、日本でショートクルーズがある程度認知されてきたこと。外国船で済州島や台湾に寄港して日本発着のショートクルーズをおこなう会社が増えてきた。そうしたクルーズに参加し、最終ゴールとして我々の世界一周クルーズに参加してもらうのが、めざすところ。クルーズは非日常感が面白いというが、世界一周の場合は非日常が日常になっていく。そうした差を感じてもらうためにも、まずはクルーズに参加していただきたい。

 ピースボートとしては、世界一周クルーズで1回105日、計315日船を使っており、船内見学会もおこなうので、これ以上ショートクルーズを増やすのは辛い。逆に世界一周を2回にして、ショートクルーズを3ヶ月間展開することもできるが、今とはかなりビジネスモデルが変化する。少なくとも、17年4月出発の第94回クルーズの案内を既に始めているので、それまでは今の形態だ。

 こうした状況を踏まえ、ジャパングレイスとしては、プリンセス・クルーズの取り扱いを検討しており、年内にも開始したいと考えている。そのためには、ピースボートを含め、クルーズの楽しさを知ってもらいたい。


ありがとうございました