KNT-CT、15年2Qは全利益が改善-通期は増収増益めざす

  • 2015年8月6日

 KNT-CTホールディングスの2015年12月期第2四半期(2015年1月1日~6月30日)連結業績で、売上高は前年比4.6%減の1929億3600万円となった。一方、営業利益は1億8100万円で、前年同期の営業損失11億3000万円からプラス転換。経常利益も3億5700万円となり、9億8400万円の損失からプラスに転じた。当期純損失は12億5700万円から2億5100万円へと、損失幅を大きく縮小した。同社は7月23日に、今年5月に発表した第2四半期と通期の予想を修正したところ。

 売上総利益率の改善に向けては、為替予約を前倒しして差損益を減少したほか、個人旅行事業で高付加価値商品を重点的に提供。その結果、売上原価が5.8%減の1579億6100万円となった一方、売上総利益は1.0%増の349億7400万円に増加した。8月6日の決算発表会見で取締役の中村哲夫氏は、海外については「台湾などがかなり復調している」と報告。国内については新幹線が開通した北陸や、関西が好調に推移している旨を伝えた。

 そのほかには、昨年は旅行代金に反映させにくかった消費増税や貸切バス制度の改正による仕入値の上昇を「徐々に浸透し、添加に納得していただける状況」になったことから旅行代金に反映。コスト削減に向けては、円安などの影響で海外旅行需要が減少していることから、テレビCMを見送るなどして広告宣伝費を縮小したという。削減した広告費は下半期に充て、クラブツーリズムのバス旅行やテーマ旅行などの販売拡大をめざす予定。

 事業分野別では、クラブツーリズムと近畿日本ツーリスト個人旅行、訪日旅行が分類される個人旅行事業は、売上高が5.3%減の1111億5800万円となったものの、セグメント損失は14億8700万円から1億2800万円へと縮小した。近畿日本ツーリストによる団体旅行事業は売上高が6.0%減の481億4200万円となった結果、セグメント利益は63.1%減の2億3300万円に。海外航空券卸販売や海外における旅行販売などからなる「その他」は1.8%減の391億8400万円だった。昨年にソチ冬季五輪などの大型イベントを扱った結果、個人旅行事業の改善に比べて、団体旅行事業の低調が目立った。

 15年12月期の連結業績は第2四半期の業績を踏まえ、増収増益を予想。売上高は0.6%増の4360億円、営業利益は42.1%増の48億円、経常利益は22.0%増の50億円を予想。純利益は12億5400万円の損失から30億円のプラスに転じるとした。