ニュージーランド、多様な体験を訴求、新キャンペーンも-TRENZより

  • 2015年6月25日

21年までに海外からの訪問者数を3割増に
新キャンペーン実施、航空座席増に期待も

2015年のTRENZはロトルアのエネルギー・イベント・センターで開催された  ニュージーランドのロトルアで5月17日から20日、旅行見本市「TRENZ(トレンツ) 2015」が開催された。今年はニュージーランドのサプライヤーが約290社出展。24ヶ国から約320社のバイヤーが訪れ、日本からは旅行会社16社が参加。活発な商談がおこなわれた。世界的に中国市場の急成長に注目が集まる中、「安定した成熟市場」と位置づけられている日本市場の現状と今後の展望について、ニュージーランド政府観光局(TNZ)の取り組みを中心に探った。


21年までの海外からの訪問者数を375.5万人に
日本市場は11%増の9万人へ

ニュージーランド首相兼観光大臣のジョン・キー氏  TRENZでは、ニュージーランドビジネス革新技術雇用省(MBIE)が2021年までの旅行市場の見通しを発表した。2014年の海外からの訪問者数は285万4000人。TRENZ会場で登壇した、ニュージーランド首相兼観光大臣のジョン・キー氏は、MBIEのデータを引用し、2021年までに14年比32%増の375万5000人に増える予測であることを明示。成長し続けるために、ニュージーランドでの多様な体験をアピールする考えを示した。

 また、消費額では14年の74億4500万NZドルから、21年までに110億5500万NZドルをめざす。TNZマーケティング・マネージャーのアンドリュー・フレーザー氏によると、豪州、中国、米国、英国、日本、ドイツと、新興市場と位置づけるインドネシア、インド、ブラジルを加えた9市場での取り組みを積極的におこなう方針だ。

 キー氏は夏以外のショルダーシーズンの誘客を強化したい考えを示した。TNZによると、ニュージーランドのハイシーズンは12月から2月だが、特に中国の春節があった今年の2月は非常に混みあったという。今後は需要の分散をはかり、10月、11月と3月、4月の需要喚起をはかっていく。

TNZマーケティング・マネージャーのアンドリュー・フレーザー氏  また、同氏は急成長を遂げる中国を重視する姿勢を示した。フレーザー氏も2014年度(14年4月~15年3月)のニュージーランドへの訪問者数を例に、全世界では前年比9.9%増の294万8000人だったところ、中国は23.8%増の29万6000人と説明。今後の成長に対する期待を述べた。

 一方、日本市場については、短期間で多くのアクティビティを体験し、消費額も高いといい、「安定的な市場であり、引き続き我々にとって重要」(フレーザー氏)であると改めて強調。14年度の日本人訪問者数は13.7%増の8万3392人と増加しており「ニュージーランドが素晴らしい休暇が過ごせる価値のあるデスティネーションとして理解されてきたのでは」と喜びを示した。日本市場は、主要9市場のうち5番目の規模で、MBIEによると2014年は前年を上回る8万1000人を記録。2021年までに14年比11%増の9万人を見込む。なお、消費額は14年の2億200万NZドルから5%減の1億9100万NZドルまで下がる見込みだ。