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庄内、出羽三山などの魅力アピール、「精神文化ツーリズム」提案

  • 2015年1月21日

出羽庄内地域デザイン代表取締役の小林好雄氏  山形県鶴岡市で、着地型旅行の企画販売や地域文化情報誌「Cradle」の発行をおこなう出羽庄内地域デザインは1月19日、都内で「出羽庄内の魅力を紹介するメディア・セミナー」を開催した。県の委託事業により、庄内地方の観光の魅力を紹介することを目的として実施したもので、メディア向けのセミナー開催は今回が初めてだという。

 セミナーでは、同社代表取締役の小林好雄氏が、「出羽庄内の自然、食、精神文化と最新情報」と題したプレゼンテーションを実施。「西の伊勢参り」に対して「東の奥参り」と並び称された出羽三山の山岳信仰などについて説明し、宗教を含む土着の精神文化を、観光の柱の1つとして打ち出した。今後は庄内でも訪日外国人旅行者が増加するとの見通しを示した小林氏は、特に欧米人に対して「精神文化ツーリズム」をアピールしたい考えを示した。

庄内総合支庁観光室長の松本宏氏  庄内総合支庁観光室長で、庄内観光コンベンション協会事務局長も務める松本宏氏は、同協会における取り組みについて紹介。同協会では2012年度に策定した観光戦略に基づき、「巡礼」「トレッキング」「食」「写真(絶景)」の4テーマを軸に誘客事業に取り組んでおり、2015年度も羽黒山五重塔のライトアップや、周遊ルートの「庄内三十三観音ご利益の旅」などを提案するという。食については地元の名物料理などに加えて、精進料理なども訴求する考え。

 同室によれば庄内地方への観光客入込数は、ここ数年は1200万人前後で推移。2011年度は東日本大震災の影響により落ち込んだものの、その後は回復傾向にあり、2013年度は前年度比5.2%増の1287万1900人となっている。今年度は、JRが2014年6月から9月にかけて山形のデスティネーションキャンペーンを実施したことなどから、前年度を上回る見込み。なお、庄内地域では2013年度を初年度とする4ヶ年の第3次山形県総合発展計画短期アクションプランにより、目標の1つとして年間観光客入込数1500万人を掲げている。

 この日はそのほか、元山形県立博物館長の春山進氏が、「庄内信仰風土 ~出羽三山と鳥海山~」と題した講演をおこない、出羽三山の歴史や文化について解説。終了後の懇親会では、鱈を余すことなく使用した地元料理「寒鱈汁」や、地酒などが振る舞われた。