若手社員が新ビジネスモデルを提案-JATA若手トラベル研究会

  • 2014年10月28日

「完成品を見せるのでなく、コミュニケーションをするために見せる」として寸劇による表現法が採られた  ツーリズムEXPOの9月26日の業界日では、5月から全7回で実施されてきた「JATA若者トラベル研究会」の成果発表会として、「新しいビジネスモデルを考える!~JATA会員会社、若手社員によるプレゼンテーション~」が開催された。この研究会は「20代・30代の社員による新しい旅行ビジネス研究・創出」を目的としたもので、今年で2期目。講師は一般社団法人デザイン思考研究所代表理事所長の柏野尊徳氏が務めた。各旅行会社の社員は会社や専門の枠を超えてチームを結成し、イノベーションを生み出す「デザイン思考」にもとづいて、新しいビジネスモデルづくりに取り組んだ。

 チームごとに練り上げたビジネスモデルは、寸劇のかたちで発表された。「店舗・対面販売」をテーマとしたチームは、アイドルオタクのひきこもりをターゲットに、「会いに行けるアイドル」をイメージした対面サービスや商品を提案。旅行にあまり関心のない層の需要の掘り起こしに着目した。

デザイン思考研究所代表理事所長の柏野尊徳氏  また、「地域・地方」をテーマにしたチームでは、FacebookなどのSNSを利用した広報戦略を提案。エコツーリズムとして植樹イベントの参加者をSNSで募り、木を育てるとともに交流を育て、リピーター獲得につなげる展開を描いた。同じく「地域・地方」をテーマとした別のチームでは、観光業者と農家など、地域の異業種の人同士をマッチングさせることで新しい商品を生み出すコンサルティング業を企画。相談料に加え、集客に応じた成果報酬で利益を得る仕組みだ。

 「人材」をテーマとしたチームでは、きめ細かな接客を求めて来店する年配の顧客にはニーズがよくわかる同世代のスタッフが対応するなど、顧客の年齢層や属性に合わせた店舗スタッフの配置を提言。リタイアした社員の豊かな経験を活かした再雇用にもつながると構想した。

JATA理事でトップツアー副会長の石川邦大氏  寸劇発表後は観覧者との交流タイムが設けられ、訪れたベテラン社員が若手社員の創案に対してアドバイスしたり、若手社員のアイディアに耳を傾けたりする様子が見られた。研究会に参加した若手社員からは、「企画を落とし込んで作り込んでいくむずかしさを感じた」、「他社のまったく専門の違う人と交流できて実りがあった」という感想が聞かれた。

 柏野氏は、「いいアイディアを出すためには会話量を増やすことが重要。チームや顧客と意見交換することでブラッシュアップしてほしい」とコメント。JATA理事でトップツアー副会長の石川邦大氏は、「これほど面白いアイディアは各社の上司の方にも聞いてほしいもの」と評価し、「職場では日々の業務に追われる現状かもしれないが、今回の案を事業として活かせるように努力してほしい」と語った。