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トップインタビュー:NZ日本・韓国地区支社長スコット・カー氏

日本人旅行者倍増計画「Double Japan」を推進
パートナーとも強力タッグ

-昨年、関空線を運休し、日本路線を減便しています

カー 周知の通り、関西市場では多くのエアラインが苦労している。関空運休は残念だが、成田線では一貫して、年間を通じてデイリー運航を提供している。成田線については今後マーケットが拡大していけば、増便もありうると思う。

 また、スターアライアンスパートナーの全日空(NH)との関係を通じて、日本市場へのコミットメントを強めている。日本各地の需要を取り込むうえでも、この関係は我々にとって非常に重要なものだ。これによって、我々は成田線に集中することができる。日本路線の需給を調整することで、円安傾向のなかでも収益性を改善することができていることも確かだ。今回のキャンペーンを通して、市場を拡大させ、再びキャパシティーも拡大できればと思う。


-日本市場が縮小してきた理由はどこにあるとお考えですか

カー 25年前にNZに入社したばかりの頃、ニュージーランドで日本からの団体旅行の予約を受ける仕事をしていた。以来、ずっと日本市場を見てきたし、個人的にも長い間関心を持ってきた。私もなぜ日本人旅行者が減っているのか不思議に思っていたが、やはりSARS、燃油費の高騰による運賃の上昇、世界的な金融危機、両国で起こった震災など外的要因が大きいのではないか。

 そして、日本人のニュージーランド旅行に対する関心が薄れている。我々はこれをポジティブな方向にもっていく必要がある。消費者にも、ホールセラーにも、販売店にも、再びニュージーランドに対する関心を高めてさせていくことが大切だ。

 2000年以降日本市場の縮小を見てきたからこそ、「Double Japan」への意気込みは強い。今回のキャンペーンだけでなく、これからも多くの取り組みを続けていく。簡単な仕事ではないが、同じようなビジネスを続けてきたから、日本市場も縮小してきたともいえるだろう。


-旅行会社との関係についてお聞かせください

カー 我々は長年にわたって日本の旅行会社と良い関係を築いている。日本の海外旅行市場の中でニュージーランドが占める割合はかなり小さく、我々も成田でデイリー運航しかしていないが、ジェイティービー(JTB)など大手旅行会社はニュージーランドのパンフレットを作ってくれている。これは、大きなサポートだ。これまで30年にわたるパートナーシップのおかげだろう。

 これからも、旅行会社に儲けが出るような関係を続けていく必要がある。ニュージーランドは安価なデスティネーションではなく、旅行会社もプレミアムな商品を造成している。今回のキャンペーンのように運賃が安くなれば、旅行会社にとっても収益性の面でいいことではないかと思う。