旅行の検索、スマートフォンがPC上回る、旅行業界は対応を-グーグル陳内氏

  • 2014年2月27日

グーグルの陳内裕樹氏  JATA経営フォーラム2014の分科会A「今後50年の海外旅行における旅行業ビジネスを考える」に、パネリストとして登壇したグーグル広告営業本部統括部長(旅行業界)の陳内裕樹氏は、「海外旅行者全員が意識しなくてもウェブを使う世の中に変わった」と述べ、旅行業界に変化への対応を促した。

 陳内氏によると、世界のネットユーザーは2012年で24億人となり、「3人に1人がインターネットにつながっている状態」。特にモバイル、タブレット、スマートフォンの増加が顕著で、2013年に世界で10億台以上のスマートフォンが出荷された。スマートフォンユーザーの旅行者の85%が現地のローカル情報を検索。80%が検索結果から「買う」「行く」などのアクションを起こしており、陳内氏は「スマートフォンは特に相性がいい」という。

 さらに日本での旅行の検索数を端末別にみると、2011年1月にはPCの5分の1の規模しかなかったスマートフォンが、2013年8月にPCを上回った。陳内氏は「世界的にも日本から起こった変化」だといい、「もうパソコンではない。世界の人々がスマートフォンで旅行を検索している」と強調。「旅行会社は自社のホームページをスマートフォンで見たことがあるだろうか。旅行者と旅行業界にギャップがある状況だ」と述べ、早期の意識変化と迅速な対応の必要性を喚起した。

 さらにアジアのスマートフォンユーザーは、2013年に10億人となり、2017年には21億人に拡大と予想。陳内氏は「4年間で11億人増える。日本の国が10個生まれるくらいの規模だ」と、スマートフォンのシェアの大きさを示した。

 このほか陳内氏は、グーグルグラスなどウェアラブルPCがもたらす旅行変化の紹介や、今後、旅行会社がとるべき対応策などを提案した。その他のパネリストのプレゼンテーションを含め、分科会Aの内容は後日、掲載する。