豪州ノーザンテリトリー、大型キャンペーン企画、販売重視

  • 2013年10月22日

(左から)ノーザンテリトリー政府観光局国際担当ディレクターのスザンヌ・モーガン氏、観光大臣のコンラン氏、観光局局長のアントニー・メイエル氏 オーストラリアのノーザンテリトリー政府観光局(NT)は、日本市場の拡大をめざし大型キャンペーンを計画している。総合情報サイトのAll Aboutと大手旅行会社と提携して展開するもので、NTが単独でオンライン・キャンペーンを展開するのはこれが初めて。NTは従来、ブランド構築、認知向上を主眼に置いて活動してきていたが、7月に始まった2013/2014年度では実際の旅行者増に力点を移しており、キャンペーンでも旅行商品の販売など「コンバージョン」を重視していく。

 10月21日に開催した説明会でノーザンテリトリー政府観光大臣のマシュー・エスコット・コンラン氏は、ノーザンテリトリーで昨年8月に政権が交代し、観光行政の戦略を転換したことを説明。オーストラリアの他の州よりも経済の観光への依存度が高い中、米英独の3ヶ国に次ぐ市場規模の日本は「最も重要な市場の1つ」との認識で、2020年までに日本人訪問者を2012年比1万人増の3万5000人、日本人による現地消費額を年率3.1%増となる22億豪ドルまで拡大することをめざすという。

 今回のキャンペーンはこの第1段階としての位置づけ。キャッチコピーは「未知が、満ちてる。」とし、ウルル(エアーズロック)だけでなく、カカドゥなどを含めて手つかずの大自然の魅力を表現。これにより、日本人の大半がウルルのみに訪問する現状から、カカドゥ、ダーウィンなど北部の「トップエンド」地域への誘客もめざす。

 まず12月20日頃にAll About上に特設ページを開設した上で、MSN、livedoor、excite、Facebookなどの広告から誘導。そしてAll Aboutページから旅行会社の商品ページへのリンクを通じて販売の促進をねらう。

 参画する旅行会社の4月から6月出発のツアーに参加する旅行者には、オリジナルのガイドブックを提供。さらに、ダブルチャンスとして、期間中に同地への旅行を予定する人全員を対象に、豪ドルのトラベラーズチェックを抽選で総額100万円分プレゼントする。

 このほか、12月からカンタス航空(QF)サイト内にノーザンテリトリーを紹介するコンテンツを開設してポータルサイトなどにバナー広告を掲出。さらに、2014年2月から3月にかけて、新宿駅の西口地下広場の広告をクイーンズランド州と共同でジャックする。

 なお、現地では6000万豪ドルを投じたダーウィン空港の大規模な拡張計画も進行中。同空港は1985年から拡張がされていなかったといい、現在は路線誘致も積極的におこなっているところ。直近ではフィリピン航空(PR)、マレーシア航空(MH)、エアアジアX(D7)の就航などが予定されているという。