オーストリア、日本市場が拡大、ロングステイに期待も

  • 2013年9月10日

オーストリアからは各観光局のスタッフが来日した オーストリア政府観光局はこのほど、25回目となるスーパー・ワークショップを開催した。合わせて来日したオーストリア政府観光局リージョン・マネージャーのクラウス・エーレンブラントナー氏は「2012年でアジアから最も多く訪問したのは日本人だった」とし、「都市の文化や芸術と、自然が地理的に近いことが1つの大きな売り」とアピールした。

 同氏によると、2012年のオーストリアへの全訪問者数は前年比4.4%増の3616万4047人、延べ宿泊数は4.0%増の1億3101万6081泊となり「記録的な数字だった」という。このうち、日本は伸び率が高く、訪問者数は14.3%増の26万1261人、宿泊数は16.1%増の50万8292泊だった。

 2013年1月から7月累計では、2010年比で訪問者数は29.2%増の13万9866人、宿泊数は24.5%増の26万4267泊と増加。「13年は12年並みの数字に達すると期待している」と話した。

オーストリア政府観光局リージョン・マネージャーのクラウス・エーレンブラントナー氏 また、エーレンブラントナー氏は、日本人の傾向について「1つのキーワードは長期滞在。日本人は文化や歴史、自然に加え、オーストリア人の日常に触れてみたいというニーズがある」と説明。例としてインスブルックをあげた。インスブルック市観光局セールス・マーケティング・ダイレクターのニコラス・ベクドゥルッカー氏も長期滞在プランをアピール。3年前から旅行会社が夏のツアーの販売を開始しており、今年は冬の長期滞在プランも導入されるとした。

 記者会見では、各州の担当者が最新情報を紹介。ウィーン市観光局日本担当マーケット・マネージャーのソニア・イシャク氏は、オイゲン公生誕350周年を記念して10月18日に公開予定の、ウィーン旧市街にあるオイゲン公の冬の宮殿をアピール。また、2015年はウィーン市中心部のリング通り建設150周年であり、2014年からさまざまなイベントを実施するとした。1月から7月のウィーンへの日本人観光客は1.7%増の7万8089人、宿泊数は3.5%増の16万2522泊と順調に推移しているという。

 また、ザルツブルク市観光局はグルック生誕300年や、国際財団法人モーツァルテウム100周年、ザルツブルク音楽祭など音楽関連の素材を説明。さらに、2014年5月に開始する、ザルツブルクの美術館巡回コースを紹介した。ドーム広場の周辺を周るコースで、レジデンスやドーム博物館などが見学できるという。このほか、グラーツ市観光局は、世界遺産の旧市街や、街で楽しむ食の魅力をアピールした。