現地レポート:オーストリア、音楽や食などテーマにモノツアー造成へ

  • 2013年8月8日

文化や自然をじっくり堪能
モノで楽しむオーストリアの魅力

地産地消、環境に配慮した持続可能な旅
グラーツで「食」を体験、チョコレート工場見学

グラーツは歩いて巡るのにちょうどいい大きさ 今回のatb・Experienceではテーマを「サステナブルな旅」に設定しており、自然や地産地消、環境に配慮した旅について、話しあう場を設けられた。オーストリア観光局ではなるべく公共の交通機関を利用すること、歩いて巡ることができるツアーを提案し、エクスカーションもそれに沿ったものを設定した。

このレストランではアペタイザーとワインのみを試食 今回はシュタイアーマルク州の州都グラーツへのエクスカーションに参加し、オーストリアきってのグルメタウンと称されるグラーツを案内人とともに徒歩でめぐった。ツアーは地産地消、オーガニックなどがキーワードで、アペタイザー、メインコース、デザートとそれぞれ違うレストランやカフェでいただく。途中、ビールの専門店に立ち寄り、教会などの史跡も見学。4時間ほどかけてグラーツの町をくまなく散策することになる。

グラーツではファーマーズマーケットもオーガニック。ロングステイにもよさそう ガイドの話は非常におもしろいが、英語とドイツ語のみであることや、食事の量がそれほど多くないためランチやディナーにするのはやや難しく、旅行商品に組み込む際は注意が必要だ。とはいえ、ガイドによって選ばれたレストランやショップの数々は非常に質が高いので、有名店の味を少しずつ体験するツアーとして、グラーツに立ち寄る場合はぜひ参加したい。

自分でチョコを割って試食。いくらでも自由に食べられる また、グラーツでは郊外にある「ザッター」のチョコレートの工場もおすすめだ。この工場はフェアトレードによってオーガニックな材料を購入しており、ただおいしいというだけでなく企業理念として「サステナビリティ」を追及している。

見学した畑で獲れた野菜をいただく
 工場では300種類にのぼる製品の多くを試食できる。試食の数が類を見ないほど多いため、大人でも思わず歓声をあげてしまうことは請け合いだ。また、工場に隣接して牧場も設けられており、食について学ぶことができるよう、牛や豚、鶏などが飼われている。ハーブや野菜も栽培しており、それらはすべて併設のレストランでいただくことができる。ちょっと変わったコンセプトではあるが、ランチにでも利用したい。

 周遊プランではオーストリアの滞在期間は長くても3日程度。だが音楽ファン向けに音楽をテーマにウィーン、ザルツブルク、そしてザルツカンマーグート地方をめぐってもいいし、食をテーマにウィーン近郊のワイナリーめぐりやグラーツに立ち寄ってもいい。地方によって趣が違うため、さまざまな組み合わせをおこなえば、オーストリア単体のツアーでも十分楽しめるといえるだろう。

 

 

取材協力:オーストリア政府観光局
取材:岩佐史絵