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現地レポート:オーストリア、音楽や食などテーマにモノツアー造成へ

  • 2013年8月8日

文化や自然をじっくり堪能
モノで楽しむオーストリアの魅力

ザルツカンマーグートとの組み合わせを
ハルシュタットのカラフルな町並みを見学

中国企業にそっくりコピーされたハルシュタットの町並み ザルツブルク郊外にはさまざまな見どころがあるため、組み合わせたツアーがおすすめだ。ザルツブルク州と隣のオーバー・エースターライヒ州にまたがる湖水地帯を「ザルツカンマーグート地方」と呼ぶが、ハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観が世界遺産にも認定されており、じっくり時間をかけてめぐりたい。

 モーツァルトの名の由来になったというヴォルフガング湖に面したザンクトギルゲン村や、団体旅行で食事に立ち寄るプランが多いホテル「白鳥亭」があるヴォルフガング村はどちらも風光明媚。スケッチやハイキングといったテーマを盛り込むこともできそうだ。

納骨堂にずらりと並べられた頭蓋骨は約2000人分 また、オーバー・エースターライヒ州のハルシュタット湖畔とその町は景観の美しさもさることながら、紀元前から塩鉱があったことで知られ、「塩の町」として独特な文化を築いてきた。山肌に沿って伝統的な家が立ち並び、そのカラフルな色合いは非常に印象的だ。人口が増えたものの平地不足のために墓地の代わりに利用された納骨堂では故人の名前や生没年、花などの装飾画がほどこされた頭蓋骨がずらりと並ぶ。

ケーブルカーの上からの景色もすばらしい ハルシュタットではケーブルカーで山の上まで登り、ハイキングに出かける人も多い。また、今回は立ち寄らなかったが岩塩鉱の中を見学できるアトラクションがあり、岩塩鉱の歴史が学べるだけでなくすべり台やトロッコによる移動があるなどかなりおもしろいという。見学が終わると塩のお土産もつくというのがうれしい。

湖が多いため、ザルツブルク周辺では魚料理が“地元の味” 昨年中国企業がこの町とそっくりな“中国版ハルシュタット”を分譲住宅地として建設したことで中国人客が増えており、観光客増に伴いレストランやホテルも増加。旅行しやすい町へと変化してきている。道路は山の方に伸びる「上の道」と湖畔に沿った「下の道」の2本だけという小さな村なので、迷子にもなることもなく、1泊してじっくり散策する時間を設けるとよさそうだ。ザルツブルクから車で1時間程度だが、ここを拠点にザルツカンマーグート地方をめぐれば満足度の高い滞在ができるだろう。