春秋航空、東南アジア強化、日本は茨城の増便検討も

  • 2013年4月16日

 春秋航空(9C)は東南アジアのネットワーク強化をはかる。9Cによると、当初は日本路線の増便を予定していたが、尖閣問題が影響するなか、関空や新千歳への就航といった日本路線の拡充計画を延期。余剰機材を東南アジア地域に回して新路線を開設しつつ、現状の規模を維持する方針だ。

 東南アジアでは既存の上海/バンコク線を2便から3便程度増便する計画。さらに新規路線として、ベトナムやカンボジア、マレーシアやシンガポールへのプログラムチャーターも予定しているという。

 一方、日本路線については、増便は見送るものの減便や運休はせず、現状のまま維持する。9Cは2014年までに日本路線10地点に就航する考えを表明していたが、現時点で変更はないという。9C担当者は日中間の関係の状況次第だが、早ければ10月の国慶節に新路線を開設したいと述べ、早期解決を期待するとした。

 また、日中関係が回復すれば、茨城/上海線の増便も実施したい考え。9Cによると、尖閣問題の影響で11月までは落ち込んでいたが、12月から需要が回復し、現在はロードファクターが9割以上と好調。ビジネス需要や中国人の冠婚葬祭などの生活路線として根付いてきているという。旅行会社からは団体を送客したいが席が取れないという話も出ており、こうした需要を受け週末をダブルデイリー化するなど3便程度増便を検討。茨城県や空港側と話し合いを進めていくとしている。

 高松、佐賀/上海線については、FITの取り込みを強化することで需要喚起をはかる。高松線は尖閣問題の影響で、ロードファクターは一時期4割まで減少。年末年始には6割から7割程度まで回復したが、動きは鈍い。佐賀線についても回復はしたが、現状では6割程度だ。

 今までは同路線ともレジャー路線であり、春秋国際旅行社や旅行会社経由の販売を重視していたが、今後はFITの取り込みをはかり、ウェブサイトで特別運賃キャンペーンなどを展開し、需要の掘り起こしとFITのリピーター化をめざす。

 なお、9Cは日本国内線の就航をめざし、2012年に春秋航空日本を設立。現在国土交通省への申請に向けて、準備を進めているところだという。