日本航空、3Qは増収減益、B787は11億円減収に-通期上方修正

  • 2013年2月4日

JLのB787型機 日本航空(JL)の2013年3月期第3四半期累計(2012年4月1日~12月31日)の連結業績で、営業収益は3.6%増の9420億円、営業利益は2.2%減の1581億円、経常利益は1.2%減の1542億円、当期純利益は3.7%減の1406億円となった。減益では、燃油費やプロダクト・サービス強化のための費用が増加しているという。

 運航実績では、国際線、国内線ともに旅客が増加しており、座席供給量の増加を旅客輸送量が上回って利用率も改善。国際線は旅客数が13.0%増の561万8000人で、旅客収入は6.7%増の3083億円となった。特に欧米やホノルル、東南アジアなど中長距離路線が好調に推移した。ただし、レジャーと海外発の需要が増加するなど需要構成が変化したため、単価は5.6%減、イールドは7.4%減となった。

 座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は4.1%増としたところ、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は15.2%増と増加し、利用率は7.3ポイント増の76.2%と改善している。

 一方、国内線では旅客数が5.1%増の2294万6000人となり、旅客収入は1.7%増の3734億円。単価が3.2%減、イールドが3.1%減となり、海外と同様の傾向を示した。ASKは4.6%増であったのに対しRPKは5.0%増となり、利用率は0.2ポイント増の63.5%となった。

 また、グループ企業のうち、ジャルパックの営業収益は8.5%増の1249億円。海外旅行では、尖閣・竹島問題の影響で韓国や中国、香港への需要が減少したものの、欧米、東南アジア方面などが好調で、取扱人数は8.9%増の24万6000人。国内旅行も東京ディズニーリゾートへの商品などで震災の影響から需要が回復したほかダイナミックパッケージも好調で、5.8%増の147万4000人となった。

 このほか、ボーイングB787型機の運航停止については、1月から3月の合計で11億円の減収を見込んでいるといい、営業費用も4億円減少することから、利益面の影響額は7億円という。

 なお、通期予想については、B787型機の影響を織り込んだ上で上方修正。営業収益は前回予想から130億円増の1兆2280億円、営業費用が80億円減の1兆420億円、営業利益が210億円増の1860億円、経常利益が220億円増の1770億円、当期純利益が230億円増の1630億円とした。

 これは、欧米、東南アジアを中心に需要が堅調であるほか、中国線の需要減が当初の予定よりも少なくなる見通しであるため。中国は、日本発の観光需要は影響が長引いているものの、業務渡航と現地発の需要は戻ってきているという。