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インタビュー:名鉄観光 商品事業本部海外旅行部海外旅行部長の綛谷企史氏

  • 2012年4月17日

12年の海外送客13万人めざし、インドシナ地域の販売強化
商品の「企画力」重視、名鉄ブランドアピール

-7CなどLCCが増加するなか、LCCとの関係性についてお考えをお聞かせ下さい

 運賃の安さから消費者はLCCに流れていくだろう。IT座席の減少や、航空会社の直販化の流れから旅行会社間で座席の取り合いが起きているが、消費者がLCCを利用するようになると他の航空会社の定期便に空席が生まれてくる。そこを旅行会社のチャンスと捉え、積極的に売っていけばよいと考えている。LCCも販売するが、注力していくわけではない。

 レガシーキャリアの運賃はLCCより高い。そこで、旅行会社本来の企画力で売れる商品を造成していく必要がさらに強まる。インターネットを活用して消費者が自分で航空券やホテルを手配する時代、旅行会社の居場所はなくなりつつある。お客様に対し、料金は高いかもしれないが、旅行会社だからこそできる質の高い旅行を提供する、名鉄観光はそうした方向に向かっていく。

 例えばパッケージツアーの質の向上としては、食にこだわった。弊社ではスタッフが現地でレストランを視察し、レストラン名までパンフレットに掲載している。メニューもオリジナルメニューを設定する場合もある。食にかけては日本一と自負している。

旅行会社は勉強して知識を増やし、お客様の先を行き、よりよいものを提供する必要がある。安売りで数を稼ぐような旅行会社は生き残っていけないだろう。


-名古屋地域以外での展開も積極的に進められていますが、今後の方針は

 2010年に設置した東京海外企画仕入センターに加え、今年1月に大阪海外企画仕入センターを創設した。東京、名古屋、大阪の商品企画と販売を一元管理して効率的に商品企画、販売展開を実施する方針だ。将来的には東京が名古屋を牽引していく必要があると考えている。

 また、地方発で成田や羽田を経由した海外旅行の増加にも取り組んでいく。特に長距離方面は成田発商品も国内線と組み合わせることで、名古屋をはじめ全国で販売していく。

 名古屋市場では、東京市場のように消費者がインターネット経由で航空券やホテルを購入して予約するスタイルはそれほど多くなく、旅行会社のプレゼンスは高い。たとえば、ある路線では、東京の場合ビジネスクラスは航空会社の直販とビジネス需要で埋まる。しかし、名古屋はビジネスクラスをパッケージツアーや団体旅行で埋めなければ厳しいのが現状だ。

 名古屋にも東京と同じ波が必ず来る。名鉄観光としての牙城を守る意味でも、東京との連携を強化して情報を得ながら、名古屋でも次の手を打っていかなければと考えている。弊社は「名鉄」のブランド力が有利に働く。名鉄ブランドだからこそ信用されている部分もあり、今後その信用力をさらに高めることで、旅行会社としての存在感をさらに高めていきたい。