スタークルーズ、新コースや新造船で商品充実、多様なニーズ取り込みへ

  • 2011年10月16日

 スタークルーズ日本オフィス代表の荒木辰道氏は2012年、日本に寄港する客船の増加に伴いクルーズそのものに対する認知や注目が高まるとの考えのもと、MICEやハネムーン、記念旅行など従来からの強みをベースとして、新規就航コースや日本人向けコースの充実に取り組む方針だ。特に、旅行会社経由の販売を引き続き事業の根幹として位置づける。2012年1月に刷新するウェブサイトでも、旅行会社と消費者をつなぐコミュニケーション活性化や、情報発信の強化をはかるという。

 新規就航については、例えばシンガポールを起点とするスーパースター・ヴァーゴが、従来のペナン、プーケットやマラッカ、クアラルンプールの3泊4日クルーズに加えて、レダン島やランカウイなどのコースを拡充。また、ペナンを起点とするスーパースター・リブラでは、クラビやプーケットに寄港する3泊4日クルーズでプーケット滞在を深夜までにするなどナイトライフを楽しめるよう工夫した。

 このほか、ノルウェージャンクルーズラインについては引き続き日本人乗務員による日本語対応の充実をはかる。さらに、2013年から2014年にかけては、新造船が2隻就航することから日本市場向けにもアピール。新造船は14万4000トンの「ノルウェージャン・ブレイクアウェイ」と「ノルウェージャン・ゲッタウェイ」で、いずれも乗客定員は約4000人。食事の選択肢が豊富で服装やアクティビティの自由度が高い「フリースタイルクルーズ」を提唱する客船で、共有リビングを持つ1人用キャビンや、24時間スパが利用できるスパスイートなども有するという。

 なお、2011年は震災により当初の販売計画に影響を受けたものの、現時点では前年比14%増まで順調に回復。個人旅行がメインのノルウェージャンクルーズラインも16%増となった。荒木氏は、外的要因による影響を受けやすい旅行業界において、コアな支持者が多く災害や騒乱にも強い商材と指摘。今後も、旅行会社向けのセミナーや研修旅行などを通してクルーズ販売を促していく考えを示した。