投稿:震災直後、海外で感じた日本へのエール(旅行会社予約手配・20代女性)

  • 2011年4月14日
旅行会社の予約手配業務担当・20代女性から
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 東日本大震災で被災された方へ心よりお見舞い申し上げます。

 業界の方々から寄せられる投稿や、観光庁からのメッセージを拝見し、今回私も投稿させていただこうと思いました。

 実は、震災のあった3月11日、ちょうどスペインを旅行していました。個人旅行だったので地震があったことは日本にいる家族からの連絡で知りましたが、幸い、家族や親戚、友人、会社の同僚などみんな無事でした。

 すぐに帰国するべきか、飛行機は飛ぶのか、また地震が起きたら・・・と、不安で頭がいっぱいになり、旅行を中断して帰ろうか、とも考えましたが、家族とも連絡をとりながら、最後まで旅行することに決めました。

 旅行している間は、どのテレビや新聞でも津波の映像や原発の様子が報道されていました。また、計画停電が実施されていた首都圏についても、ネオンのない銀座の様子などが取材されており、本当に驚きました。

 日本で大変なことが起こっているのに旅行なんて続けていいのだろうか、と何度も思いましたし、正確な情報をすぐに確認できないことにも焦ったりしました。でも、私がもっと感じたのは現地の方の優しさです。

 震災直後だったからかもしれませんが、日本人に対してスペイン人が嫌がったり怪訝そうにすることはなく、むしろ心配して声をかけてくださいました。

 たまたま道を尋ねて話をしたスペイン人のおじいさんには「日本人ですよね?津波のことでとても心を痛めているよ」と言われました。あるカフェの女主人は「あなたの家族は大丈夫だったの?被害にあった地域の方はとても気の毒だわ」と、私の家族についても心配してくれました。国内線の飛行機で隣の席だったおばあさんは「家族に電話したの?無事だったの?本当につらいわね。あなたの国に幸運を祈ってるわ」と励ましてくれました。

 今回宿泊したホテルでは、「頑張って下さい。私たちはあなたたちと一緒にいます」というメッセージが日本語でフロントに掲げられていました。そうやって声をかけてくれる人がいることは本当に心強く思いました。

 原発問題や余震が続いていますので、今は、日本=危険、というイメージを抱いている人もいると思いますし、当時と状況は違うかもしれません。でも、私が逆の立場だったらそんな風に声をかけられるだろうか、と思いました。

 日本人だと気付いて声をかけてくれたり、言葉が通じる、通じないということは気にせずに心配してくれる。日本にいたらきっと、大きな支援に注目したと思いますが、海外にいたことでささいな一言や心遣いのひとつひとつが支えになるんだと、とても感じました。

 とりとめもなく書いてしまいましたが、今回の海外旅行が私にとって大事なことに気付かせてくれた旅になったので、特に若い方に同じように色々感じてもらいたいと思い投稿させていただきました。今すぐは難しいかもしれませんが、海外旅行に行ってみよう、という気持ちになってもらえたら、同じ業界で働く者としてうれしく思います。


※メッセージは4月7日に受け取り、確認の上、掲載しました。

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▽過去の「投稿」一覧
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投稿:世界からの支援に「ありがとう」を(広報代理業・被災地域出身者)(2011/04/08)
投稿:震災後、ある旅行者から勇気づけられた一言(海外ホテル予約旅行会社)(2011/04/04)
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