ジャルパック、国内ブランド統一で相乗効果−上期商品、「顧客本位」継続

  • 2011年1月18日
 ジャルパック及びジャルツアーズの代表取締役社長の大西誠氏は1月17日の上期商品発表会で、2011年度から国内旅行も「JALパック」ブランドで展開することについて、相乗効果の発揮に意欲を示した。両社は4月1日に統合予定で、これに合わせて海外旅行と国内旅行のパッケージツアーを「JALパック」に一本化。大西氏は、「国内と海外のネットワークやノウハウを活かし、国内旅行の気軽さで海外を訪問し、海外旅行の発見や驚きを国内旅行で感じるような旅作りをしていきたい」と方針を示した。

 相乗効果を発揮するための策として、大西氏は「海外担当者が国内を、国内担当者が海外を見ることで、いい意味で化学反応が起きることを期待したい」と言及。また、海外と国内の商品を1社が1ブランドで展開することにより、リテーラーや消費者にとっての分かりやすさが増す点もメリットとした。パンフレットの体裁もわかりやすく統一し、ウェブサイトも4月1日から一本化する予定だ。

 今後は消費者に対し、新聞広告などでブランドの認知度向上をめざすほか、リテーラーに対しては、ポスターの配布やディスプレイコンテストなどを実施し、販売促進をはかる。リテーラーとの4月の統合後の販売契約については、契約自体には大きな変更はないが、販売手数料については現在検討中だ。また、統合後の組織変更についても検討段階だが、すでに国内、海外それぞれの担当者間で意見交換など交流を進めているという。


▽「いい旅、あたらしい旅」は継続−国内旅行ラインナップは名称変更

 2011年の商品テーマは「いい旅、あたらしい旅」を継続。顧客の視点を重視し、安心感のある高品質な旅の提供をめざすとともに、新しいデスティネーションや、新しいコンセプトの旅も提供する方針だ。例えば、海外旅行ではセルビア、マケドニア、アルバニアの3ヶ国を訪問する「バルカン半島縦断の旅」を設定。また、ブランド統一の記念商品として、スピリチュアルブームを受け、ハワイ島のパワースポットであるワイピオ渓谷の底まで降りるツアーも用意した。

 国内旅行では商品ラインナップを変更し、第1ブランドを「JALパック」、第2ブランドを「JALパックふらり」、宿泊商品を「JALパックマイステイ」とした。また、全方面で顧客が快適な滞在を楽しめるよう、ホテルでのサービスの強化を実施。例えば沖縄では24時間滞在が可能なプランや、追加代金なしで部屋のグレードアップができるプランも設定した。

 なお、2011年度上期の海外パッケージツアー全体の取扱目標人数は前年比20%減の14万1000人、国内パッケージツアーも取扱目標人数は11%減の105万3000人。海外、国内ともに日本航空(JL)の運休、減便が影響し減少した。大西氏はJLの座席供給量が減っているものの、「お客様に支持にされる商品を提供することで、予約率をあげていきたい」と意欲を示した。