中国、日本企業にアウトバウンド試験的解禁へ−個人ビザの要件緩和も

  • 2009年10月19日
 中国国家旅游局局長の 邵(キ)偉氏は10月18日、日中韓観光大臣会合に合わせて実施された国土交通大臣の前原誠司氏との2ヶ国間観光大臣会合で、日本の旅行会社の現地合弁企業または独資企業に、中国人のアウトバウンド業務を試験的に認める方針を示した。時期や社数など詳細は不明であるものの、邵氏は「早い時期に何らかの手立てがとれるのではないかと思っている」と説明したという。

 今回の措置は国務院の特例として実施する方針。前原氏は、「日本の実情を良く知っているのは日本の業者であり、その方がよりきめ細かな中国人観光客へのおもてなしができる」とし、実現すれば「飛躍的に日本への中国人観光客が増えるのではないか。大変良い効果が出ると考えている」と期待を示した。試験解禁時に対象となる旅行会社については「信頼性」「管理能力」「実績」が条件といい、前原氏は「そういった(条件を満たした)企業は多い」とし、早期実現に期待を示した。

 中国市場でのアウトバウンド業務は、日本市場の大幅な拡大が見込めない中で、特に大手旅行会社が今後の展開の大きな柱として位置づけている。日本市場での「受け」業務は、国内旅行の経営資源の有効活用にもつながる。すでにジェイティービー(JTB)やエイチ・アイ・エス(HIS)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行など各社が現地法人を構え、解禁に向け体制を整えている状況だ。

 なお、中国人向けの訪日個人旅行ビザについて前原氏は、「7月に取り組みを開始したばかりだが、内容の詳細は決まっていないものの、さらなる緩和策を考えていきたい」とコメントした。

※(キ)・・・王へんに其

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