海外が好転の見通し−JATA市場調査、景気後退でインハウスは苦戦か

  • 2009年4月2日
 日本旅行業協会(JATA)が2月中旬から3月上旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、海外旅行は今後好転する見通しだ。現況の海外旅行全般についてのDI値(※)は3ヶ月前(08年10月〜12月)から8ポイント減のマイナス72ポイントとなったものの、3ヵ月後についてはマイナス57ポイントに回復する見込み。一方、国内旅行の現況は海外からのシフトが見られるものの、景気後退などにより26ポイント減のマイナス42ポイントと大幅に市場が縮小。3ヵ月後も2ポイント改善のマイナス40ポイントと厳しい見通しだ。

 海外旅行の現況を3ヶ月前と比較すると、総合旅行会社と海外旅行ホールセラーではすでに改善の傾向を示しており、特に総合旅行会社は、3ヶ月前がマイナス81ポイント、現況がマイナス66ポイント、3ヵ月後がマイナス41ポイントと大きく改善する予想だ。3ヵ月後はリテーラーなどを含めて改善を予期するものの、インハウスは3ヶ月前がマイナス54ポイント、現況がマイナス84ポイント、3ヵ月後がマイナス86ポイントとなっている。

 インハウスは7月から9月がマイナス36ポイントであったが、10月から12月はマイナス54ポイントと急減。前回調査で1月から3月の見通しはマイナス64ポイントとなっていたが、実際には20ポイント下回る結果となった。景気後退による企業の出張手控えなどが影響していると考えられ、調査でも「業務出張は原則禁止、個人消費も低迷しており、最悪の状態」との声が寄せられたという。

 このほか、顧客層別の現況は、インセンティブと商用視察以外は改善。一方、3ヵ月後は学生以外のすべての層が回復する見込みだ。方面別では、オセアニアが減少、ミクロネシアが横ばいとなった以外はすべて上向いた。詳細は下記を参照のこと。


※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。


▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-72/-57
総合旅行会社/-66/-41
海外旅行ホールセラー/-85/-63
海外旅行系旅行会社/-82/-73
リテーラー1/-81/-55
リテーラー2/-62/-48
インハウス/-84/-86

▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-52/-45
ファミリー/-74/-65
OL/-69/-65
学生/-63/-70
シニア/-46/-32
インセンティブ/-79/-76
商用・視察/-73/-70

▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-63/-59
アメリカ・カナダ/-79/-75
ヨーロッパ/-70/-59
オセアニア/-76/-79
ミクロネシア/-61/-61
中国/-82/-74
アジア/-39/-33