中部国際空港、次期社長に豊田通商副社長の川上氏−「難局乗り切る」

  • 2009年2月23日
 中部国際空港の次期代表取締役社長に、豊田通商取締役副社長の川上博氏が就任する。時期は6月の予定。現社長の稲葉良■(いなば・よしみ)氏はトヨタ自動車に復帰する。中部国際空港の社長にトヨタ自動車の出身者が就任するのは、初代を務めた現取締役会長の平野幸久氏と稲葉氏に続いて3代目となる。

 川上氏は2月20日の記者会見で、中部空港をとりまく環境の厳しさを指摘しつつ、「まだ具体的なことはいえないが、難局を乗り切り、将来の発展のために精一杯取り組んでいきたい」と抱負を説明。環境が厳しい中での社長交代に疑問の声もあるが、平野氏は「中部空港の需要回復は中部圏の企業の業績回復なしにはありえない」とし、特にトヨタの業績が与える影響の大きさを指摘。その上で、この危機的な経済環境において、「中部空港やトヨタなど一企業のことだけを考えるのではなく、トヨタの再建を通じてこの地域全体の経済回復の力になってもらうことが重要」との考えに基づく判断であったことを強調した。


▽川上博氏 略歴

1972年4月 トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社
1998年1月 米国トヨタ自動車販売出向(部長級)
2003年6月 トヨタ自動車常務役員就任
2007年6月 トヨタ自動車専務取締役就任
2008年6月 トヨタ自動車専務取締役退任
2008年6月 豊田通商取締役副社長就任(現任)


※■は「目」に「見」