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宿泊向けITソリューションで急成長、triplaが狙う「アジア市場制覇」と日本市場への逆輸入

-APACへの進出が、日本市場との連携という点でも有効ということですね。

高橋 例えば買収したSurehigh社は台湾で約1,200施設に、BookandLink社はインドネシア、タイ、フィリピンなど約3,000施設にそれぞれチャネルマネージャー(サイトコントローラー)を提供している。今後は双方の基盤を統合し、日本でもセグメントを特定した上で販売を行っていきたい。

-国内では数社がチャネルマネージャーのシェアを既に持っていますが、勝機はありますか。

高橋 ここは宿泊施設ごとの方針次第だが、インバウンドに振り切っているようなところであれば、東南アジアにしかないローカルOTAと連携できる我々のチャネルマネージャーへの接続も非常に面白いと思う。

 また、今後日本のOTAとの接続も検討はしているが、これはOTAの許可次第でもあるため、国内の宿泊施設との契約が増えれば交渉も可能になるかと考えている。

tripla
高橋和久氏
-「まずはAPAC市場」とのお話しでしたが、APACの次にターゲットとなるのは欧州や米国など、どの地域でしょうか?

高橋 ここはまだわからない。欧米以外にも、南米がダイナミックパッケージを中心に旅行市場を拡大していたり、クロアチアも伸びている。あとは、モロッコなどアフリカも面白い。一方でギリシャは少し苦しんでいるなど、そういった意味ではターゲットは「欧州」のように一括りにはできない。

-その他、中国や経済成長盛んなインドはどのように見ていますか?

高橋 インドは入り方次第。M&Aが最適と感じるが、知的財産権に関する考え方が異なるためビジネスを成功させるにはかなり骨が折れると思う。同じような理由でマレーシアも市場参入の方法が非常に重要。東南アジアは非常に多くのホスピタリティIT企業が競争で凌ぎを削っているため、その競争に勝てる力をつけることが重要となるだろう。

 中国も非常にハードルが高い。理由としては、中国国内で上げた利益を海外へ持ち出す場合に厳しい制限があることと、ブッキングエンジンの概念がなく宿泊施設の販路がOTAかWeChatミニプログラム上となるためだ。現地最大手のShiji社が既にかなりのシェアを持っているので、入り込むとしても優先順位は相当低い。

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