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基準は「面白いと思えるか」ータスマニア在住コーディネーター utasmania安井康二氏

  • 2020年12月9日
-COVID-19の影響はいかがでしょうか

安井 北海道美瑛町の若手農家を対象にしたトレーニングプロジェクトを行っており、今年はそれを北海道全域に広げようと、5月にタスマニア政府と共同で北海道訪問を予定していましたが、COVID-19のため中止になりました。技術面よりも文化交流に重点を置いたプロジェクトで、昨年までは苺農園の視察のほか、職業訓練学校で農作業をしながらタスマニアの農業を知ってもらう機会などを設けていました。状況が収まれば再開したいと考えています。

 苺農園では人手不足に悩まされています。収穫期には「ベリーピッカー」と呼ばれるアルバイトを雇って手摘みを行うのですが、その多くはバックパッカーだったため、国境が閉じてしまったことが大きく響きました。ちなみに、ベリーピッカーの給料は時給20ドル前後+収穫量の歩合制です。宿泊とイチゴ収穫をセットにした農業体験ツアーなどができたら面白そうですね。

-最後に日本の観光産業従事者に向けてメッセージをお願いいたします
苺農園の前でインタビューに応じる安井氏。インタビューはオンラインで実施した

安井 観光産業は岐路に立たされていますが、COVID-19はあくまできっかけのひとつではないかと思います。旅行手配というものは20年以上前からほとんど変わっていません。ただ、それでも母数が伸びていたからこれまでやってこられていましたし、私自身もそれに乗っていました。しかしこのような事態になり、元に戻るのに何年かかるかわかりません。また、今30代、40代の方が将来団体ツアーに行くようになることもないでしょう。今後は、例えば子どものためになるような旅行や、農泊のような体験を重視する旅行、私が手掛けるテクニカルビジットのような専門的な調整が必要になる手配がさらに求められるのではないでしょうか。

 新しいことは、上手くいったら続ければいいし駄目ならまた他を探せばいい。面白いアイデアがあればいつでもお待ちしています。本業は別に持ちつつ、空いている時間を見つけて出来る範囲でやっていく、くらいの感覚で構いません。面白いと思う仕事を通して、人を助けながら自分にも少し利益が出て、色々な人と出会って……という繋がりができればいいなと考えています。

インタビューを終えて
 今回はタスマニアでコーデネイションやコンサルティングをされている安井さんにお話を伺いました。「面白いと思える」「やりがいを感じる」を基準に仕事を選び、今はタスマニアの苺農家の経営全般に関わるコンサルティング、テクニカルビジット絡みのコーディネーター等をされているスマートで気さくなナイスガイです!
 日本とタスマニアに関わる面白そう・誰かの為になるアイデアで有れば、個人の方からの相談にも乗っていただけるとの事ですので、安井さんとコンタクトを取りたい方は編集部までご連絡下さい。