第3種のNinNinが転職サービス開始、旅行業のDX促進も-代表取締役の横田啓介氏

旅行会社のDX促進と業務の効率化に注力
業界外転職をチャットでサポート

-旅行業のDX推進と業務の効率化について、詳細を教えてください

インタビューはオンラインで実施 横田 これまでチャットでのやり取りで集まったデータをもとにしたDXの推進と、チャットを使ったオペレーションの自動化などの業務の効率化を進めてきた。チャットの大きなメリットは、カウンターなどの対面販売では情報共有がしにくかったお客様とのやり取りが可視化できる点だ。旅行会社のカウンターセールスや法人営業のトップなど、スキルが高い営業担当者に属人化していた販売プロセスを、チャットでは汎用化できる。

 また、お客様からの希望や質問と、回答の組み合わせデータを収集すれば、AIを使って自動で旅行プランを作成することができる。我々の場合、こうした取り組みにより19年は人件費のコストを前年の半分まで減らすことができた。

旅行プランをLINE経由で販売する「Tabi Tabi」(イメージ)   今後は店舗を有している他の旅行会社に対し、DXの推進をサポートしていきたい。例えば、チャットシステムを使っていただき、対面販売でのお客様とのやり取りを可視化する。これまで我々が培ってきた販売プロセスを旅行会社に適用しながら、徐々に個社ごとに改良し、営業プロセスを汎用化していくイメージだ。

 また、徐々にデータが蓄積するので、将来的にはAIでお客様にあった旅行プランが提案できるようになる。チャットシステムを使わない場合でも、カウンターのスタッフがお客様の希望をシステムに入力すると、おすすめプランが検索できるようになる。

 今後、コロナのワクチンが完成し、しっかりと感染予防ができるようになれば旅行需要は回復すると思うが、どういう時間軸で回復するかという予測はとても立てにくい。各社とも旅行者の減少に対応できるよう、固定費を減らすなど取り組まれていると思うが、需要が回復して旅行者が急激に増加したときに対応できるように、人に頼らないDXを進めていく必要もあるだろう。旅行者の増減に対応できるようにビジネスモデルの変革が必要だと思う。

 コロナ以前から他の旅行会社と協力して商品を販売し、売上を増やしていこうと考えていた。コロナ後は、もちろん海外旅行が復活すれば商品を販売するが、これまで我々が社内で続けてきたDXの推進と業務の効率化のスキルを活かして旅行会社の皆様の手助けをすることに重点が移ってきた。旅行業界のDX実現に向けてお役に立てればと考えている。