itt TOKYO2024

ドイツ、日本人150万泊を再び、30年までに-富裕層市場を開拓

  • 2019年6月9日

ソーシャルメディアで「関心」を喚起、需要は旅行会社に

ワークショップ会場のVR体験ブース。順番を待つ人で行列ができていた  西山氏は「今回のワークショップに18社のサプライヤーが参加してくれたことは、日本市場に対する期待の表れ」と評価。ラグジュアリー市場を開拓することで、日本に関心を示すサプライヤーが増えることを期待しつつ、「サプライヤーと日本の旅行会社の関係を維持・発展させること」を日本事務所の使命の1つとして位置づけた。

 マーケティングでは引き続きデジタル化を推進。ソーシャルメディア戦略ではTwitterでの情報発信や広告展開に注力しており、約7万5000人に上るフォロワー数はヨーロッパの観光局の日本支局のなかで一番多いという。加えて、VR体験の提供、ウェビナーなどを進めていくほか、旅行会社との共同オンラインマーケティングも積極的に展開する。西山氏は「関心の喚起は旅行会社に頼らない形で進める。関心がうまく波に乗れば、旅行会社にその需要を取り込んでもらいたい」と期待感を表した。

 今後の観光テーマとしては、まずは今年のバウハウス100周年のプロモーションに力を入れ、新たにワイマールとデッサウにオープンする「バウハウス・ミュージアム」の訴求を強める。また、20年のベートーヴェン生誕250周年については、今年12月16日から20年12月17日の1年間、生誕地であるボンを中心にさまざまなイベントやコンサートが開催されることから、情報を積極的に発信する。

 西山氏によると、ボンのベートーヴェン・アニバーサリー実行委員会は、日本を米国、中国に並ぶ最重要マーケットとして位置づけており、投資も進める方針という。日本ではドイツ音楽への関心が高いことから、ドイツ観光局も引き続き「音楽の国ドイツ」を訴求し、ドイツ各地の気軽に楽しめるコンサートを提案するほか、50を超えるオペラハウスも紹介していく考えだ。