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コスタ新支社長の浜岡氏、航空業界の経験活かしクルーズ市場拡大へ

初心者もリピーターも楽しめるカジュアルクルーズを訴求
日本初の全額返金制度も

-19年の販売戦略やプロモーション方針をお聞かせください

浜岡 日本人のお客様に合うよう4泊5日や5泊6日の短いクルーズを増やしている。また、ファミリー層が多い夏休みには寄港地を増やしたコースも設定した。一部、中国のチャーターの関係で秋のコースをキャンセルしたが、影響は少なかった。秋以降に何か日本でできることがないか模索している。

 19年のクルーズでは、新たに「マイファーストクルーズ」キャンペーンを展開している。ファーストには「ファーストチョイス」と「ファーストタイマー」という2つの意味があり、リピーターだけでなく初心者にも乗りやすくする試みだ。

 キャンペーンでは、割引制度「my first costa割」や「子供無料」に加えて、「返金キャンペーン」も始めた。これはお客様が出港後23時間以内にゲストサービスデスクに申し出た場合、次に下船可能な港での下船を条件にクルーズ代金を全額するもの。港湾税、船内有料サービスの利用分などは返金の対象外で、港から自宅までの交通費はお客様に負担いただいている。

 ヨーロッパのクルーズですでに導入されているが、これまで返金した例はほとんどない。日本ではクルーズ会社としては初めての試みだと思う。ファーストタイマーの最後の背中を押すという目的で始めたもので、11月末日までのキャンペーンだが、今後も状況を見て検討していきたい。

 このほか、伸び悩んでいる日本人の船内での消費を増やしたいと考えている。例えば免税店での買い物は言葉の問題もあると思うので、免税店の日本人スタッフの増員を検討している。エクスカーションも日本人のニーズを踏まえたコースをもっと作っていきたい。


-他の外国客船社も日本発着クルーズを積極的に展開していますが、他社との差別化についてお聞かせください

浜岡 イタリア船籍のため、船内の雰囲気が他社とは違う。カジュアルに楽しめるところも強みだろう。他にはないプロダクトで新しい市場を開発しているため、日本に定期配船している他社とは競合していないという認識だ。ターゲットもファミリーやシニアだけでなく、40代、50代夫婦や若者層にも訴求できるプロダクトだと自信を持っている。


-フライ&クルーズの取り組みについてはいかがでしょうか

浜岡 まずは日本発着クルーズに注力する。しかし、コスタは地中海ではナンバーワンのクルーズ会社なので、来年度からは日本人旅行者の送客にも力を入れたい。

 旅行会社の主催旅行になるため、ターゲットについては旅行会社の考え方によるだろう。コスタとしては、まずデスティネーションの魅力を伝えていきたい。


-旅行会社との関係についてお聞かせください

浜岡 クルーズをあまり取り扱っていない旅行会社へのアプローチを強化していきたい。積極的に教育セミナーを開催するほか、旅行会社が企画するセミナーにも参加していきたい。

 他社との違いを実際に知ってもらうことが大切なので、船が日本に来たときには見学会も開く。19年には新造船の「コスタベネチア」(13万5500トン、定員5260名)が就航する。ベースは上海になるが、日本に寄港することもあるので、その機会も活用できればと考えている。


-ありがとうございました