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コスタ新支社長の浜岡氏、航空業界の経験活かしクルーズ市場拡大へ

初心者もリピーターも楽しめるカジュアルクルーズを訴求
日本初の全額返金制度も

-これまでの経験を踏まえたうえで、今後の抱負をお聞かせください

浜岡 旅行会社や港湾関係者と一緒に新しいクルーズ市場を作っていけたらと思っている。航空会社の時も、観光局や現地サプライヤーなどと一緒にデスティネーションを開発してきたが、クルーズでも同様に寄港地の開発にも取り組み、お客様に満足してもらえる良いプロダクトやコースを作っていきたい。

 外国客船だとカボタージュの問題などで斬新なコースは作りににくいが、できる限りお客様に満足してもらえるものを提供したい。すでに19年の日本発着クルーズは発表されているが、20年は新しい航路を含め、さまざまな検討をしていく。


-18年は日本発着クルーズにネオロマンチカが配船されました。これまでの手応えは

ネオロマンチカ(C)コスタクルーズ

浜岡 今年は台風が多かったが、幸いにしてスケジュールや航路と重なることはなく、航路の変更やキャンセルもなかった。ゴールデンウィークと夏休み期間はほぼ満室だった。

 コスタ独自のコースである日本海クルーズは、寄港地以外からのお客様も増えている。例えば金沢から乗船するコースでは北陸3県のお客様が中心だが、北陸新幹線などを利用する東京からのお客様も増えている。舞鶴から乗船するコースは関西圏からのお客様が多く、舞鶴港の駐車代を無料にするサービスにより、ドライブ&クルーズも増えてきた。

 お客様はファーストタイマーが多いが、リピーターも増えている。リピーターにアンケートを取ると、スタッフの明るい笑顔とフレンドリーな対応が好評のようだ。我々のスタッフはお客様の名前と顔をしっかり覚えており、船内ではお客様をきちんと名前で呼んでいる。また、船内での参加型のプログラムも好評で、ベネツィアのマスクをつけたカーニバルを毎回楽しみにしているお客様もいる。

 リピーターの取込強化のため、今夏から船上で次のクルーズを予約する仕組みを取り入れ、専用デスクを設置したほか船内で説明会も実施した。船内で予約をして、下船後旅行会社で購入するという流れをしっかり作っていきたい。

 コスタはイタリアの会社なのでヨーロッパからのお客様も増えてきた。外国人の乗船が多いのは6月や7月で、ゴールデンウィークと8月は日本人が多い。ヨーロッパからの訪日旅行者は旅行期間が長いため、滞在中に2回、違う日本発着航路を体験するお客様もいる。最近では、若干だが、釜山で乗船する韓国人のお客様も出てきた。