LINEとベンチャーリパブリック、協業で「価格勝負から脱出」

日本の旅行者をLINE経済圏に
差別化に向け施策展開

▽19年度に流通総額1000億円、その後の「登り方」は

6月の事業戦略発表会でのプレゼンテーション  19年度の目標として掲げる流通総額1000億円について国京氏は「昨年の事業戦略発表会でも『LINEショッピング』で全く同じ目標を定めて、実現した。あえて難しい目標を掲げて、引けない状況に追い込むのが我々のスタイル」と語る。利益面については「旅行商品の利益率が高くないことは分かっているが、ユーザーがついてくれば利益もついてくる」と主張。18年はサービス構築の年と捉え、19年に入ってからポイント還元などで展開を加速し、流通額を大きく伸ばすという。

 なお、昨年には「LINEショッピング」で試験的に旅行商品を販売していたが「こちらからプッシュしなくても良く売れた」とのこと。国京氏は「現時点では、旅行は『非日常を提供する特別な商品』という感じはなく、日常の商品とそれほど変わりはない印象を受ける。流通が軌道に乗れば高価格の商品も扱えるようになるのでは」とも語る。

 現在「LINEトラベル」を展開しているのは日本市場のみ。グローバル展開の可能性については「まずは日本で成功し、道筋が見えてから」と慎重さも見せる。OTAなどへの事業拡大の可能性については「さまざまな未来が考えられるが、OTAには限らない。まずはプラットフォームを完成させてそれを海外に輸出するなど、旅行業の『登り方』は幾つもある」と述べた。旅行業登録については、必要性に応じて検討する方針。

 ちなみに来栖氏によれば、LINEの出資を受けた現在のベンチャーリパブリックは「会社全体で『LINEトラベル』に取り組み、コンテンツの拡充やサービスの構築に注力している」状態。将来的には「トラベルジェイピー」のすべての商品やコンテンツを「LINEトラベル」でも提供する見通しで、「我々がLINEと旅行業界との橋渡しになれれば」という。


※訂正案内(編集部 2018年7月31日16時00分)
記事中の「トラベルジェイピー」について、一部に表記の誤りがありました。お詫びして訂正致します。