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トップインタビュー:エボラブルアジア・エアトリ代表取締役社長の吉村英毅氏

DeNAトラベル買収、国内第2位のOTAに
認知度向上に向け広告展開強化


-2社でどのようにシナジーを出していきますか

吉村 今後はブランド、サービスとコンテンツ、組織の統合にそれぞれ取り組む。ブランドは「エアトリ」に一本化し、エアトリを誰もが知るOTAにしていきたい。すでにDeNAトラベルの社名とウェブサイトを「エアトリ」の名前に変更した。

 当面は旧DeNAトラベルのウェブサイト(https://www.skygate.co.jp/)と、エボラブルアジアの従来の「エアトリ(https://www.airtrip.jp/)」という、違うドメインの2つのサイトを同じ名前で運営する。

 お客様には若干わかりにくいが、複数のランディングページから同じウェブサイトに誘導する手法は以前からあった。今後はデザインの統合を徐々に進めるとともに、年内には2つのウェブサイトをほぼ同じ内容にし、来年中には1つに統合する。

 サービスとコンテンツの融合については、シナジーを創出するための再優先事項と位置づけて取り組んでいる。エボラブルアジアは海外航空券、旧DeNAトラベルは国内航空券のコンテンツをそれぞれ持っており、互いの得意とするコンテンツと重複している。このため、海外航空券は旧DeNAトラベルの、国内航空券はエボラブルアジアのコンテンツに統合し、各社の強みを出したい。このほか、ダイナミックパッケージツアー(DP)は旧DeNAトラベルのみの取扱だったが、今後はエボラブルアジアでも販売する。

 今のところは新しいコンテンツは考えていないが、旅行中に提供するサービスに興味があるため、そうしたコンテンツが将来的に増えるかもしれない。

 組織の統合はシステムの開発、マーケティングなど各組織を統合して効率的にビジネスを展開する。得意分野に集中することでコンテンツが充実し、システムの展開速度が早まる。

 2社の会員システムの統合もめざす。現在はサイトごとにシステムが異なるが、今までのIDとパスワードで、両方の会員システムにログインできる形にしたい。


-エアトリ(旧DeNAトラベル)をエボラブルアジアに統合する可能性はありますか

吉村 会社を統合したほうがシンプルだが、旧DeNAトラベルに紐づいた航空会社との仕入れ契約があり、統合した場合契約が引き継げるかどうかわからない。このため、子会社として残すつもりだ。

 航空券の仕入れについては2社それぞれで航空会社との契約があり、中長期的にメリットのある契約を残していきたい。