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週間ランキング、1位は関空/ホノルル線、ジャパネットも

[総評] 今週の1位は、日本航空(JL)が関空/ホノルル線の臨時増便を延長する記事でした。もともとJLは同路線をデイリー運航していますが、7月と8月に週7便の追加を決定していたところで、今回は引き続き9月と10月も週6便ながら増便を維持することを決めています。

 関空/ホノルル線といえば、先月末にエアアジアX(D7)が週4便で飛びはじめたばかりで、しかもホノルルとなるとインバウンドはほとんど期待できないはずで、それでも需要が見込めるということはそれだけ市場が拡大しているということでしょう。

 また、JLの話題では3位にも記事がランクインしています。こちらは10月29日から羽田/ロンドン線と成田/バンコク線を増便することなどについてお伝えしたもので、先ごろに明らかになったメルボルンやコナへの乗り入れを含めて、少しずつJLの再成長プランが見えてきているように感じられます。

 記事中でも、代表取締役社長の植木義晴氏と取締役専務執行役員路線統括本部長の菊山英樹氏のコメントをご紹介していますが、地方発着の国際線も可能性があるということで大いに期待したいところです。実現すれば、インバウンド需要の地方分散はもちろん出国率の問題も間違いなく改善していくはずです。

 もうひとつ、ロンドン線の増便と聞いて少し驚いたのは、欧州、特に英国でのテロが経営判断をくつがえさなかった点です。欧州でテロ事件が相次いで発生しはじめてからしばらくは甚大ともいえるほど需要に影響が出ていたわけですが、最近では何かあった際にも市場の反応が穏やかになってきたようで、まるでウィルスに対する抗体ができたような印象です。

 こうした状況に、危機意識がないとか平和ボケであるとかといった批判をされる向きもあり、確かに不安定な世の中であり正直なところその是非はわかりませんが、旅行業界にとっては人が動かない限りビジネスは停滞してしまうわけで、今のところは歓迎をしたいと思います。日本政府観光局(JNTO)の推計によると、今年の出国者数は1月から5月までで6.7%増となっており、訪日外客数の17.3%増には遠く及ばないものの順調ではあるところで、このまま双方向で交流が拡大してほしいものです。

 なお、今週は先週も注目を集めたジャパネットによる旅行業登録が完了しています。ちょうど当欄を書いている金曜日の午前中にはテレビ東京の番組で初めての募集をされました。

 どんな様子か気になり番組を観てみたところ、30分強にわたってMSCスプレンディダの商品を紹介されており、最後には電話が殺到しているとのことでした。電話については本当かどうか確認しようもありませんが、電話のかかり具合を見た男性スタッフが感極まり涙ぐんでいたのは印象的でした。事前に乗船体験もされていたようで、それ以外にもなかなか画面では見えにくいご努力があったのでしょう。

 商品としては10日間の日本一周クルーズで、旅行代金はバルコニー付きのキャビン利用で2名1室1人あたり約23万円でした。フリードリンクと朝食ルームサービスのオプションを独自の特典として用意されており、その点が差別化のポイントであったわけですが、はっきりいって企画力とは無関係であり、容易にコモディティ化してしまう旅行の難しさも感じました。

 また、メディア目線で考えると、誰にどのようなメッセージを届けるのかという目的があり、その上でどう伝えるかの戦略が立ちますので、そういった部分も興味深い点です。毎回観るというわけにはいきませんが、通販業界の風雲児とも称されるジャパネットの旅行業がどう進化していくか、注目していきたいと思います。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
1 (2017年07月07日0時~07月14日18時)
第1位
日本航空、9月末から関空/ホノルル線臨時便、夏に続き(17/07/11)

第2位
メタサーチのKAYAK、日本に本格参入、利用者増で本腰(17/07/12)

第3位
日本航空、10月末からのロンドン線増便は業務渡航に期待(17/07/12)
日本航空、羽田/ロンドン線を1日2便に、成田/バンコクも(17/07/12)

第4位
スタークルーズ、17年ぶりに日本発着開始-1本目は満室(17/07/10)

第5位
HIS、夏の渡航先1位はハワイ-東欧・北欧が人気上昇(17/07/10)

第6位
ジャパネット、第1種旅行業を取得、第1弾商品は14日発売(17/07/12)

第7位
英国湖水地方など21件が世界遺産に-ウィーンは危機遺産(17/07/11)

第8位
17年上半期の旅行業倒産は15件-てるみ破産で負債額8倍(17/07/11)

第9位
17年春闘、ベア達成は55組合、6組合の増加-サービス連合(17/07/13)

第10位
海外事故発生率、16年度は3.4%-「無制限プラン」に注目 (17/07/09)

※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
人事、国交省観光・航空関連-7月7日付 (17/07/07)