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冬の需要取り込みに各観光局が注力-RVC2017(2)

  • 2017年6月14日

「チームカナダ」で需要拡大へ
独自の素材をアピール

オンタリオ州
PEIと共同で「東部グルメ街道」、トロントやオタワの冬の魅力を訴求

(左から)オンタリオ州観光局アジアパシフィック地区マーケティングマネージャーのハービー浜崎氏、日本事務所アカウントマネージャーの田中氏  オンタリオ州への日本人旅行者数は、エア・カナダ(AC)の機材の大型化などもあり好調に推移している。同州観光局日本事務所アカウントマネージャーの田中恵美氏は「冬のナイアガラやトロントの、アクティビティーやグルメの人気も高まり、今年の1、2月は前年比56%増になった」と説明。引き続きFITを含む20代から40代までの女性、シニア、学生グループをターゲットとするほか、LGBT市場の開拓にも力を入れていくとした。

 同州はプリンスエドワード島(PEI)とのコラボレーションで、食に焦点を当てたルート「東部グルメ街道」を旅行会社に提案。すでに数社が商品化しているが、今後はPEIと共同でファムツアーを実施するなど、引き続き造成を働きかける。

 このほか、リピーターを増やす目的で新しいデスティネーションも積極的に紹介。プリンス・エドワード・カウンティやブルーマウンテンなどのほか、添乗員付きのツアー向けにブルー半島国立公園、マニトューリン・アイランドを旅行会社に提案していく考え。

 冬の需要喚起策としては、トロントのクリスマスマーケットやオタワの「ウィンタールード(冬祭り)」などのほか、冬のナイアガラとニューヨークやキューバなど他国のデスティネーションを組み合わせた旅程のアピールにも注力する。

トロント観光局日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木氏  トロント観光局は新たに「Canada’s Downtown」をタグラインとして設定。「出合いの街」として都市の魅力のアピールを強化する。同局日本・韓国地区マーケット・ディベロップメント・マネージャーの鈴木正城氏は、新しい素材としてトロント島にある小型航空機向けのビリー・ビショップ・トロントシティー空港から、ナイアガラへのアクセスを提案。「トロントの美しいスカイラインも楽しむことができる」として、単なる移動としてではなく、遊覧飛行としての魅力も強調した。

ナイアガラフォールズ観光局旅行業界担当マネージャーのベロショワ氏  ナイアガラフォールズ観光局では、今年5月にアウトドアのアクティビティを運営するワイルド・プレイがオープンしたフィールドアスレチック「ワイルド・プレイ」を紹介。同局旅行業界担当マネージャーのアナスタシア・ベロショワ氏は「幅広い層に受け入れられる」とアピールする。また、ワイナリーに加えてビールの醸造所やウィスキーの蒸留所の人気も高まっているとした。


プリンスエドワード島(PEI)
「食旅」にフォーカス、映画「赤毛のアン」にも期待

(左から)トレード&セールスマネージャーのクレイグ・スリス氏、日本代表の高橋氏  PEI州政府観光局では引き続き「食旅」に焦点を当てる。DCによる蔦屋書店の4店舗とコラボレーションした食とライフスタイルのフェアでも、「赤毛のアン」の書籍や写真集と合わせて食をアピール。また、有名シェフのマイケル・スミス氏による「ザ・イン・アット・ベイ・フォーチュン」を「グルメの宿」としてアピールする考え。さらに、クラフトビールの醸造所も3ヶ所に増えたことから、新しい素材として紹介する。

 このほか、5月6日から日本でも公開が始まった映画「赤毛のアン」にあわせたピーアールも強化。日本代表の高橋由香氏は「今年後半からの集客に期待がかかる」と話す。作者のL・M・モンゴメリが住んでいたトロントと組み合わせたツアーもFIT向けに提案。すでに、阪急交通社や旅工房が商品化しているという。