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インタビュー:マリアナ政府観光局GMの一倉隆氏

近さ・気軽さで新しい旅を提案
キーワードは「3つの3」

-どのデスティネーションとの競合を重視しますか

(左から)岡部氏、一倉氏、澤田氏、嶋田氏一倉 国内は離島を含めて沖縄で、当然グアムやセブも競合する。また、提案したい旅行のスタイルは異なるものの、ハワイも意識する。

 例えば、2泊3日のビーチリゾートというと今は沖縄がまず出てくるのかもしれないが、海外のサイパンもあるということを訴えていく。そしてその上で、グアムのように人が多くなく自然が豊富で、さらに参加可能なアクティビティやイベントも豊富である点も強みとしてアピールしていく。

 加えて、来年の春先にはカジノが開業する計画で、さらに2020年までに20棟のホテル再開発や総延長1キロメートルの免税ショッピングモール、世界最大のウォーターテーマパークなどの開業が予定されていると聞いている。現在の観光の中心地はガラパン地区だが、今後数年でマリアナリゾートの地区にもうひとつの中心ができる可能性があり、期待している。


-旅行業界向けの活動について方針をお聞かせください

一倉 目標として、来年はなんとか10万人に近い数字、そしてその先は2年程度の間に15万人、航空路線でいうと1日3便くらいの体制に戻していきたい。

 そのためには、まずDLに2便目の復活を働きかけていくが、DLに限らずインセンティブを渡して飛ばしてもらうようなアイディアは、そこにお客様がついていくかが問題となる。特にマリアナについてはどういうお客様に来てほしいのか、どういうデスティネーションなのかという情報発信ができていなかった。

 そうしたなかでは、旅行会社にも新しい商品の造成をお願いし、それによって座席増を実現するような好循環を作り出したい。そうしなければ持続可能な成長はないだろう。前体制で観光大使として任命された、約230名の旅行会社向け研修旅行の参加者のみなさんにも活躍していただこうと考えている。

 また、現在はパッケージツアーでの訪問者が7割から8割を占め、ファーストタイマーの比率が高いが、今後はリピーター、FITのお客様が増えるような方向に持っていきたい。

 単価についても、お金を払っていただける価値のあるデスティネーションとしてのマーケティングはやっていかないければならない。50万人のマーケットであれば大変だろうけれども、6万人、7万人の規模であり、少し変えれば変わっていくだろう。


-ありがとうございました