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ネットの旅行予約でトラブル急増、国民生活センターが注意喚起

  • 2016年9月8日

▽消費者が防げないトラブルも、契約内容の確認を

 国民生活センターは、急増するネット予約の旅行に関するトラブルについて、相談事例をもとに課題を説明。「旅行サイトで海外のホテルを予約して確認メールを受け取ったが、現地で『予約がない』と言われた」や「予約中に『時間が経ってから再度やり直してください』とエラー表示されたため、別の予約をおこなったら、二重予約になってしまった」など、消費者が予約時に注意するだけでは防ぎきれないトラブルも増えてきているという。

 また「代金を支払ったが、航空券を受け取る前に事業者と連絡が取れなくなった」など、旅行の申込後に事業者が倒産して旅行ができなくなる事例や、返金されない事例なども紹介。あわせて、旅行業法では旅行業者が倒産して債務不履行が発生した場合は一部の弁済を受けられるものの、実際には支払った全額が手元に戻るケースはほとんどないことを説明した。

 このほか、海外旅行サイトは運営事業者とのコミュニケーションを取ることが難しく、日本の法律をもとに交渉することが難しいことなども紹介。実際に「予約内容を訂正したいが、日本語の対応窓口がない」や「対応窓口で『全額返金する』と言われたが、実際は航空券代しか返金されなかった」などの相談が寄せられたという。

 これらの課題に対して国民生活センターは、契約前に旅行サイトの所在情報を確認すること、申し込みを完了する前に解約料などの契約条件や予約内容を確認すること、予約確認メールは旅行が終わるまで保管すること、トラブルになったら消費生活センターなどに相談することを推奨。所在情報の確認については、契約前に旅行サイトを運営する事業者がどの国に所在するかに加えて、対応窓口への連絡手段や、日本語で対応しているかなども確認するよう呼びかけている。

 また、申込後の解約や予約内容の変更については、無条件にできるわけではないことも説明。契約条件を入念に確認することを呼びかけた上で、トラブルにあった際には最寄りの消費生活センターや国民生活センター越境消費者センターに相談するよう呼びかけた。

 なお、観光庁は15年6月に、消費者トラブルの防止に向けて「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン」を公表したところ。ガイドラインでは「OTAなどに関する基本情報」「問い合わせ先に関する事項」「契約条件に関する事項」などについて、OTA向けに適切な表示内容などを記載している。また、一般消費者向けにも旅行予約サイトを利用する際の注意事項を記したチラシを作成するなど、啓発活動をおこなっている。