ネットの旅行予約でトラブル急増、国民生活センターが注意喚起

  • 2016年9月8日

 生活に関する情報提供や調査研究などをおこなう独立行政法人の国民生活センターはこのほど、同センターや全国の消費生活センターなどに寄せられた旅行関連のトラブルに関する相談情報を取りまとめた。それによると、2015年の「旅行全般に関するトラブル」の相談件数は11年比で約15%増の3545件となったが、そのうち「インターネットで予約した旅行に関するトラブル」の相談件数は11年のほぼ2倍の1669件に増加した。同センターは消費者に対して特にネット予約の際の注意を呼びかけるとともに、相談事例にもとづいた課題とアドバイスを紹介している。

 15年に寄せられた「旅行全般に関するトラブル」と「インターネットで予約した旅行に関するトラブル」について、相談件数を世代別で見ると、旅行全般のトラブルは20代が18.5%の584件、30代が19.5%の617件とあわせて4割以下となったのに対し、ネット予約によるトラブルは20代が24.3%の374件、30代が25.3%の390件となり全体の半数以上を占めた。性別では、女性は旅行全般が59.3%の2062件、ネット予約が58.6%の961件となり、ともに約6割を占めた。

 職業別では、最も多い「給与生活者」は旅行全般のトラブルで54.9%の1755件だった一方、ネット予約のトラブルでは67.7%の1035件となり、全体に占める割合は10%以上高くなった。国民生活センターによると、ネット予約を利用する旅行者が20代から40代にかけて多いことが起因しているという。購入金額の平均は旅行全般が約23万円だったのに対し、インターネット予約は約12万円で半分程度にとどまった。

 相談内容を見ると、最も多い「契約・解約」に関する相談は、旅行全般で82.2%の2913件、ネット予約で88.7%の1480件。その他の項目では「品質・機能、役務品質」に関する相談は旅行全般で7.0%の248件だった一方、ネット予約は3.1%の52件にとどまるなど、ネット予約の旅行に関するトラブルは、ほとんどが契約に関するものであることが分かった。

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