ANAHD、「攻めのスピード経営」で国際線拡充-20年営利2000億円へ

  • 2016年1月31日

▽国内線は需給バランス適合、「ノンエア事業」で訪日強化

 国内線では、需要に合わせて大型・小型機材を使い分ける「ピタッとフリート」モデルをさらに推進し、収益性の維持と向上をはかる。計画期間中に初号機を受領する予定の「三菱リージョナルジェット(MRJ)」は、地方路線を中心に活用して受給適合をさらに強化する。また、アジアなどの訪日需要を取り込み、国内の各地域への送客をはかる。20年度末のASKは4%減を計画する。

 LCC事業では、JWで新規需要の開拓と訪日需要の取り込みを強化し、ANAHDの核となる事業への成長をめざす。NHの未就航地域や、リゾート地へのレジャー路線、日本/中国大陸間の路線を増やすとともに、沖縄発着の国際線を開設する。20年度末の座席供給量は15年度比で218%増となる計画だ。

 機材の購入計画については、20年度末には15年度末見通し比で15%増に増やす。15年度末の保有機材数は、NHが250機、JWが8機、合計258機となる見込みだが、20年度末ではNHが約275機、JWが25機となる計画。機材の用途は、15年度は国内線が57%、国際線が35%、貨物が5%、LCCが3%だが、20年度末には国内線が45%から50%、国際線は約40%、貨物は4%、LCCは8%を見込む。

 ノンエア事業では、商社など既存事業において、訪日外国人の消費の取り込みを中心に、旅行前から旅行後まで事業領域の拡大をはかる。長峯氏は具体例として、訪日ツアーや訪日サイト、ホテル、免税店、機内販売、帰国後の商品購入などの「越境EC」を、同社が考えるビジネスチャンスとして挙げた。民泊についても「具体的な検討はしていないが、チャンスはねらっている」(長峯氏)という。さらに、「ANAグループの有形無形資産の最大活用」「業務提携を通じた他社ノウハウの活用」「ICTなどの新技術の活用をキーワードに新たなビジネス機会の創造」の3点を推進し、新たな事業も展開していくという。