itt TOKYO2024

JTB予想、16年出国者は微増の1620万人-訪日は2350万人

  • 2015年12月16日

▽国内旅行は微増、訪日は過去最高の2350万人を予想

 国内旅行は、国内の経済環境が落ち着きを見せており、雇用環境も当面は安定化するとの見通しから、消費の緊縮ムードが弱まり、旅行への意欲が堅調に推移すると予想。旅行人数は0.7%増の2億9360万人と予測した。平均消費額については、訪日外国人旅行者の増加を受けて宿泊単価が上昇傾向にあることなどから、2.0%増の3万5540円を見込む。

 連休の日並びについては、ゴールデンウィーク(GW)と年末年始を除く週末の3連休は、15年と同じ6回。GWは前半と後半の2回に分かれる見込みで、1日休暇を取れば6連休や7連休に延長することが可能となる。また、8月11日が国民の祝日の「山の日」となることで、11日から14日までを合わせてお盆休みとする人が増えると予想する。

 地域別では、北海道新幹線が開通する北海道や、ともに開園15周年を迎える東京ディズニーシーとユニバーサル・スタジオ・ジャパンに注目が集まると予想。さらに、京都に「京都鉄道博物館」が開業し、各鉄道会社が観光列車の導入を予定していることから、鉄道を楽しむ旅行者が引き続き増えるとの見通しも示した。このほか、マラソンやサイクリングなどのスポーツをきっかけとした旅行も増える見込みだ。

 さらに、訪日外国人の増加により、栃木県の「あしかがフラワーパーク」や長野の「スノーモンキー」など、日本人があまり注目してこなかった観光地への注目が高まるとの予想を示した。

 訪日外国人旅行者数については、円安基調や日本の旅行先の認知度の向上などから、19.0%増の2350万人を予想。人数は過去最高を更新する見込みだが、伸び率は15年の47.2%増から低下するという。JTBはその理由として、15年は韓国でMERSが発生したことや、台湾が中国人旅行者の受け入れを政策的に抑えたことから、代替先として日本に対する需要が高まったことを説明。16年はそうした影響が「あまり大きくない」ことに加えて、中国の経済成長の減速などが影響すると予想した。

 傾向としては、リピーターの増加で個人旅行のシェアが高まりつつあるなか、ゴールデンルート以外の地域に足を伸ばす訪日外国人が増加し、旅行先がさらに多様化する見込みだ。