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アクセスランキング、新規就航・新路線が3本、羽田米国線も

[総評] 今週は、トランスアジア航空(GE)グループである台湾のLCC「Vエアー(ZV)」が12月15日から初めて日本への定期便を運航するニュースが1位になりました。GEは1951年設立ながら国際線は1992年からチャーター、1995年から定期便を飛ばしはじめた会社で、日本線についていえば2012年の定期便開設とやや後発組といえると思いますが、その3年後に子会社も日本へ就航するというのは動きが早い印象です。

 また、今週はZV以外にも新規就航と新路線開設の話題が注目を集めており、9位にはエアアジア・ジャパンの路線開設計画、7位にはフィンエアー(AY)の福岡乗り入れが入りました。

 エアアジア・ジャパンは、全日空(NH)との共同事業が2013年に頓挫してからの再出発で、新しいパートナーが楽天であること、そして中部空港を拠点とする初のLCCという点も目を引きます。また、ZVと同様に台湾への就航を計画しており、インバウンド需要の好調さをここでも感じるわけですが、10位のジェットスターグループの動きといい、LCCを名乗る航空会社の活発さや浸透度合いにも驚かされます。

 一方、AYの福岡線は6位のKLMオランダ航空(KL)による運休と対をなすもので、KLが週4便であるのに比してAYは週3便と座席供給量は減ってしまうものの、関空以西と欧州を結ぶ路線が約3ヶ月のブランクが生じるとしても維持されることは喜ばしいことです。

 市場規模を考えると、AYにとってKLが飛び続けている中での参入はリスクが大きいように感じますが、KLの撤退発表から間髪をいれずに就航を発表することになったのは偶然とのことです。ということは、KLが週4便、AYの現時点での計画が週3便ですので、早期の増便にも期待できるかもしれません。

 また、AYの就航は来年3月末ということで半年のリードタイムがあり、これから上期商品の造成などの動きが活発化するものと思われますが、リードタイムという意味では、2位の記事もそれに通じる部分があります。

 2位の記事は、羽田発着の米国線に関わる話題で、簡潔に書けばデルタ航空(DL)が持っていた枠を再配分されたアメリカン航空(AA)は10月1日から60日の間に羽田/ロサンゼルス線を就航するはずなのにその動きがなく、それに対してDLが噛み付いているという状況です。

 正直な感想としては、1年近くも再配分で揉めてきたのにまた悶着が始まるのか、と辟易する感を否めませんが、確かにリードタイムを考えれば不自然ではあります。

 AAに対して広報代理店を通して本社へ見解を聞いたところ、「今後も継続して羽田での就航に向けて注力していく所存」との回答がありましたが具体的な計画は示されず、残り50日で飛び始めたとして本当に維持できるほど販売できるのか懸念が残ります。

 これで就航日を先延ばししようとでもすれば、主張したこと、約束したことをまったく実現しないとDLを批判してきたAAですから、「ブルータス、お前もか」と言いたくなる気分です。まずはさらに泥沼のようなやり取りに突入しないことを祈るばかりですが、いずれにしてもせっかくの貴重な羽田枠がこれ以上宙に浮いたままにならないことが望まれます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年10月第2週:10月2日0時~10月9日18時)
第1位
Vエアー、中部/台北線開設、12月から週4便-初の日本路線(15/10/05)

第2位
デルタ、AA羽田枠の没収要請、「未販売で運航意志なし」(15/10/05)

第3位
メガハブ空港1位はアトランタ、米国が上位を独占-OAG調査(15/10/08)

第4位
HIS、「旅と本と珈琲」テーマに新店舗-海外旅行の需要喚起はかる(15/10/06)

第5位
セーバー、日旅アメックスと提携-日本での取組強化(15/10/04)

第6位
KLM、16年1月から福岡線運休-支店は維持し再開視野に(15/10/04)

第7位
フィンエアー、福岡/ヘルシンキ線就航-16年春から週3便(15/10/07)

第8位
新国交相に公明党の石井氏、首都圏空港強化などに意欲(15/10/08)

第9位
エアアジアJ、4月から中部/新千歳、仙台、桃園線に-事業許可取得(15/10/06)

第10位
ジェットスター3社、日本/台湾、フィリピン間でATI-低価格化など推進(15/10/04)