済州、KE直行便運休後も日本に注力-エアプサンが名乗り

観光客呼び戻しに向けファム共催
釜山経由で再提案めざす

3泊4日の釜山ストップオーバー商品が登場

アーティストの康禹鉉氏  済州島滞在中に参加者は、西部の山間部で来年秋以降にオープンを予定する新たな観光地「タミナラ共和国」を訪問した。同地は韓流ブームのきっかけとなった人気ドラマ「冬のソナタ」のロケ地として使用されたソウル近郊の南怡島(ナミソム)を、人気の観光地「ナミナラ共和国」へと育てたアーティストの康禹鉉(カン・ウヒョン)氏が、新たなミニ独立国として準備中。済州島の文化をモチーフにしたアートなどが並ぶ、新たなテーマパークとなる予定だ。

「LIVE HOLO CONCERT」の会場風景  続いて訪れた「PLAY K-POP」は、今年6月に南部の済州中文観光団地にオープンしたK-POP専門のアミューズメント施設で、最新のホログラム技術による「LIVE HOLO CONCERT」や3D映画館「LIVE 360 3D」などのアトラクションが売り。参加者は人気アイドルグループ「BIGBANG」のメンバーのG-DRAGONによるバーチャルコンサートや、12年に「江南スタイル」が世界的にヒットしたPSYを主人公とする3Dアニメ映画「PSY MAN」を鑑賞した。ソウルにも同様の施設はあるものの、参加者からは女性を中心に「K-POPファンへの訴求力は高い」と、好意的な感想が寄せられた。

「オンギ足湯カフェ」店内の様子  滞在中は天候に恵まれなかったため、予定していた南西部の山房山(サンバンサン)や龍頭(ヨンモリ)海岸の散策はできなかったものの、参加者はオルレ歩きで疲れた足を癒すための「オンギ足湯カフェ」を体験。大きな窓から島の風景を楽しむことのできるくつろいだ雰囲気が好評で、今回の訪問先のなかでは特に参加者の評価が高く、「ツアーに組み込みたい」などの声も挙がった。

 そのほか、今回のツアーでは訪問できなかったが、同公社では雑貨店などが立ち並ぶ「李仲燮(イ・ジュンソプ)通り」や、海岸沿いにカフェテリアが並ぶ月汀里(ウォルジョンリ)の「カフェ村」、14年にオープンした「済州航空宇宙博物館」なども日本市場に訴求している。済州島を訪れる日本人観光客は、依然として韓流ドラマなどに影響を受けたシニア層が多いことから、今後は20代や30代の若い男女も誘致していきたい考えだ。渡守武氏は「魅力をまだまだ発信できていないことを考えれば、済州島は“これからの島”と言えるのでは」と述べ、若者を牽引力とする訪問者数の巻き返しに意欲を示した。

済州国際空港。現時点では成田/釜山線と釜山/済州線を乗り継ぐと、到着は夕刻となる  なお、これまで成田/済州間の片道の所要時間は、KEの直行便を利用すれば2時間半程度で済んでいたが、今後はBXの成田/釜山線と釜山/済州線を乗り継ぐため、乗継時間を含めると合計で約5時間を要することになる。所要時間の大幅な増加はハードルとなるが、参加者からは3泊4日のコース案や、そのうちの1泊を釜山で過ごす案などが挙げられた。

 同公社は引き続き、視察ツアーや各種イベントの実施に対する支援、チャーター便に対するインセンティブ提供などにより、日本の旅行会社との連携に努めるという。その取り組みの1つとして今年の5月には、エイチ・アイ・エス(HIS)との間で日本人観光客誘致に向けた業務提携を締結しており、両社は今後、女性や学生、家族などに向けた新たな旅行商品の開発を進める予定。HISは9月下旬に最初の1泊を釜山、その後の2泊を済州島で宿泊し、同島滞在中は世界自然遺産の「済州火山島と溶岩洞窟群」などを巡る3泊4日のツアーを発売している。


取材協力:済州観光公社、エアプサン
取材:本誌 行松孝純